なぜレクサスにステーションワゴンが無い? 欧州ブランドでは定番も30年以上設定しない理由
レクサスはなぜステーションワゴンを設定しないのか?
トヨタが北米で1989年から展開している高級ブランドのレクサス。最近では、日本でも高級ブランドとして定着しています。 一方、以前から高級ブランドとして展開する欧州のメルセデス・ベンツやBMW、アウディでは、セダンとステーションワゴンを設定するのが定番ですが、なぜレクサスにはステーションワゴンが設定されていないのでしょうか。 【画像】日本でも売って! 国内未発売の「レクサスSUV」を見る!(87枚)
2020年現在、レクサスが世界で展開するラインナップでは、セダンの「IS/ES/GS/LS」、クーペの「RC/LC」、ハッチバックの「CT」、SUVの「UX/NX/RX/GX/LX」となり、日本や欧州ではGSは生産終了、GXは未導入ですが、北米では販売されています。 また、中国では2019年にラグジュアリーミニバンとして「LM」を発表。日本でも大きな話題となりました。 一方、レクサスの各モデルと比較されやすい欧州ブランドでは、これらのボディタイプ以外にステーションワゴンを設定しています。 メルセデス・ベンツでは「ステーションワゴン(一部シューティングブレーク)」、BMWでは「ツーリング」、アウディでは「アバント(一部スポーツバック)」と分類されて展開。 ステーションワゴンは、セダンのような高い走行性能と快適性を持ち、大きな荷物も積むことができる高い実用性を兼ね備えています。 欧州では、陸続きで国々を移動する文化や習慣があり、その際にある程度の積載性(空間)が重視されます。 また、ドイツでは一部区間が速度無制限となるアウトバーンが存在するため、日本やほかの地域よりも高い速度域で巡航する機会が多いことから、高い積載性と優れた走行性能の両方を兼ね備えているステーションワゴンには一定の需要があるのです。 日本においてもステーションワゴンの販売が好調なスウェーデンの自動車ブランドであるボルボの販売店は次のように話しています。 「欧州では高級感のあるカテゴリとして、ステーションはステータスと認識されています。 また、狩猟の文化がある地域では、狩りに出かける際にワゴンが用いられ、丈の長い猟銃を運んだり、狩った獲物を運ぶのに収納力が高いワゴンは適しているのです。 とはいえ、割合でいえば欧州でもSUVはもっとも販売されているカテゴリです。しかし、『SUVは大衆車』というイメージから、現地ではワゴンを選ぶ人も多いようです」 ※ ※ ※ 一方、レクサスが誕生した北米市場では以前から、乗り心地においてセダンの人気が高かったことや、積載性においてフルサイズのバンやSUV、ピックアップトラックが支持されていたこともあり、その間となるステーションワゴンは大きくシェアを伸ばしていませんでした。 このようにレクサスブランドがスタートした北米市場の事情が、ステーションワゴンを展開しない要因のひとつだといえます。 しかし、レクサスがスタートしてから約30年、そして2005年の日本上陸から15年経った現在でもステーションワゴンがラインナップされない理由とはなんなのでしょうか。