DXの使い方次第で従業員のモチベーションをあげられるか
業務のデジタル化で企業の抜本的な改革を目指すDXの推進が叫ばれているが、いまだその必要性を感じない経営者も多い。しかし、業務の効率化の先には、もっと重要な恩恵があった。 デジタル化がもたらす恩恵を説明しても、現行の方法で間に合っていると考える企業幹部は多い。そこまでコストをかけて、慣れ親しんだ業務のフローを変革することにどれほどのメリットがあるのか、理解しにくい面もある。そこに、大きな説得力を持つ調査結果が示された。「PCAクラウド」などサブスクリプション型基幹業務システムの開発販売を行うビー・シー・エーが、DX推進が実感できている会社員100人と実感できない会社員100人の合計200人を対象に行った調査から、DXの驚くべき効果が判明した。 まず、現在の仕事に情熱を持ち、満足しているかとの問に、推進組の「当てはまる」と「やや当てはまる」が合わせて9割を超えたのに対して、非推進組は約5割にとどまった。「まったく当てはまらない」は推進組では1割未満だったが、非推進組は3割近くにのぼっている。 また、勤務先の目標やビジョンに共感し、長く働きたいかとの問でも、推進組は「非常にそう思う」と「やあそう思う」が合計で9割を超えたのに対して、非推進組では5割を下回った。 さらに、上司や同僚と適切なサポートを提供し合えているかという問においても、推進組はやはり9割を超え、非推進組は5割を切る。
まだまだあるDXのメリット
そのほか、職場での意見やアイデアが尊重されているか、仕事とプライベートのバランスが保たれ、仕事で自分の貢献が評価されていると感じるか、自身の裁量で仕事ができているか、報酬面で満足しているか、といった問でも同様の結果が示された。 DXは業務の効率化を実現する。それによって無駄な仕事が減り、身も心も過重労働から解放される。また業務が可視化され、各自の働きが適切に評価されるようになる。そうなると、職場の雰囲気もよくなり、前向きな気持ちで仕事に励むことが可能になったのだと推測される。これは会社にとって、何よりの大きなメリットだろう。 家族や友人にDXが推進されている職場を推薦するかという問でも、推進組の9割以上が「そう思う」と答えた。非推進組は5割に満たず、「わからない」が2割を超えている。こうしたDXの恩恵は、未体験者にはピンと来ないようだ。しかしその「新境地」は、手が届くところに見えている。
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