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ドライバーに不便な街づくりで歩行者の死亡事故ゼロ 北欧の2首都

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The Guardian

【記者:Jessica Murray】  フィンランドの首都ヘルシンキとノルウェーの首都オスロでは、自動車の制限速度を引き下げ、道路設計を変え、市内の駐車スペースをなくすなど、ドライバーにあえて不便な街づくりを進めてきた。その効果が今、数字に表れ、両都市は昨年、歩行者の死亡事故をゼロに抑えることに成功した。  1990年代には交通事故による死亡者数が年間平均20~30人だったヘルシンキは昨年、1960年の記録開始以来初となる死亡者数ゼロを達成。オスロでもまた、昨年は歩行者と自転車・バイク利用者の死亡者は皆無だった。ちなみに英国のロンドンでは2018年に交通事故に巻き込まれて死亡した歩行者は57人だった(2019年のデータは未発表)。 「(オスロの政治家は)自動車を使いにくくすることにした。今は、市内のある場所から別の場所へ行くには車を利用する方が時間がかかり、市内の道路に設定されている通行料金も以前より高くなった」と話すのは、ノルウェー交通安全協会のクリストファー・ソールスタ・スティーン氏だ。  2017年に野党・労働党と緑の党が指揮を執った計画により、オスロ市内全体で通行料が70%増額され、その結果、交通量は6%減少した。駐車料金もオスロ繁華街で50%、それ以外の地域では20%増額された。一方で、50キロ以上に及ぶ自転車用レーンを新設するために多くの駐車スペースが現在は撤去されている。  オスロ市当局は、学校の外での制限速度を時速30キロに引き下げ、さらに学校周辺を通行禁止とする「ハートゾーン」の試験的な運用も開始。当局は、今後4年でこうしたゾーンを100か所設けたいとしている。  オスロの環境・交通担当副市長、アリルド・エルムスタッド氏は、こうした変化──とりわけ市内の特定地域を車両乗り入れ禁止とすることに反対する声も一部あると認める。  とはいえ、新しい環境に慣れてしまえば、この恩恵は理解されるはずだとエルムスタッド氏は言う。「実際に運用が始まり、交通事故に対する効果を上げているのを見れば、以前の道路で自動車を走らせたいと思う人はいない。この方針が実は市にとって良策であることを理解する人は増えてくると思う」と同氏は話す。 「オスロでの全体的な自動車交通量を2030年までに30%減らしたい。難しい目標ではあるが、私たちはこれが市にとって良いことだと考えている」  同様の交通量削減策は、ヘルシンキでも採用されている。制限速度はここ数十年で厳しくなっており、昨年さらに速度が引き下げられた。現在の制限速度は、ほとんどの住宅街および都心で時速30キロ、市街地の幹線道路では時速40キロ、郊外の幹線道路では時速50キロとなっている。

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