「紀南の高校と梅研究を」 和歌山市にサテライト、梅博士の宇都宮氏
「梅は体に良い」という言い伝えを科学的に解明しようと、大阪河﨑リハビリテーション大学(大阪府貝塚市)の宇都宮洋才教授=元和歌山県立医科大准教授=は、和歌山市に開設された大阪河﨑リハ大和歌山サテライトのセンター長として研究を続けている。今後は梅産地の紀南にある高校と連携して研究を進めたいという。 【「梅がコロナ抑制」で特許取得 和歌山・みなべ町の記事はこちら】 宇都宮教授はこれまで、梅の効能について、高血圧の改善▽胃がんの原因になるピロリ菌の動き抑制▽アレルギー抑制▽肥満予防▽骨密度上昇▽不妊予防▽制菌▽インフルエンザや新型コロナのウイルス感染抑制―などの研究結果を発表している。 県立医大を2022年3月に退職し、同年4月から、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などを養成する大阪河﨑リハ大へ。梅の研究を続けるに当たり、和歌山県とのつながりを保ちたいという強い思いがあった。その思いが大学側に認められ、大学が今年9月、JR和歌山駅近くの「みその商店街」に、書店跡の空き店舗を改装したサテライトオフィスを開設した。 宇都宮教授によると、大学は26年度をめどに、健康維持に強く関係する機能性食品の研究コースの開講を目指している。 宇都宮教授は、梅の機能性向上の研究や関連食品の開発について、研究コースの受講生と紀南の高校生が連携して取り組むことを計画。すでにみなべ町の南部高校に呼びかけている。大学がある貝塚市特産の水ナスの機能性についての研究も始めており、梅との相乗効果も調べる。 宇都宮教授は「紀南の高校生に地元が誇る梅について学んでもらい、将来は地元に貢献してほしいという思いがある。地元も若者が帰りたいと思えるような産地づくりができるよう、梅が体に良いという研究を続けたい」と話している。
紀伊民報