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【ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術】第13回『ライフ イズ ストレンジ 2』逃避行の果てに狼たちは何を見る

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Game Spark

今回取り上げるのは、前作がTV番組で紹介されたことで話題の『ライフ イズ ストレンジ 2』です。前二作では架空の町アルカディアベイを舞台にしていましたが、『ライフ イズ ストレンジ 2』ではシアトルからメキシコのプエルト・ロボスを目指すロードトリップ。物語は兄弟二人の関係にフォーカスし、アメリカ社会の暗い影と美しい自然、そして辛い逃避行がより深く感情を描き出します。文学を読み進めるように、じっくりと味わいたい作品です。 関連画像を見る また、Game*Sparkではサントラに焦点を当てたインタビュー記事もお届けしているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。 練習問題の解答 問:If there’s two things I hate in this world, /it’s cockroaches and crying babies. 回答例:仮に 私に嫌いなものがあるなら/ゴキブリと泣いてる子よ ゲーム実装:ゴキブリと泣き虫は大嫌いなの 原文では“If there’s”であくまでも自分に弱点がないことを強調していますが、字幕ではバッサリ切って「大嫌いなの」と一行に収めました。映画字幕は翻訳者によって個性があり、原文に忠実な方もいれば独特の文体がある方もいて、コアな人には好き嫌いがあるとのこと。スタッフロールを最後まで見て、翻訳者の名前を知るのも面白いですよ。 Let’s Play in English:スペイン語と手書き文字を読んでみよう 主人公ショーンは幼少期をメキシコで過ごした経緯があり、家族間の会話ではスペイン語が時々登場します。イタリア、スペインのラテン系混じりの英語は、日本語に翻訳するときは関西弁にする場合もありますが、今回は主人公ということもあってそのほとんどが普通の言葉に直されています。移民問題を取り扱う作品だけに、スペイン語を使うことで自分のルーツを意識しているところを、ぜひ英語版で確かめてみてください。 携帯電話のバッテリーが早々に切れ、ショーンの心境はスケッチブックに記されることになります。一応「READ」で文字起しもありますが、イラストと一緒に書いてある手書き文字はそのまま読めた方がより楽しめるでしょう。また、一部の落書きは日本語で翻訳が表示されない箇所があります。 ■思いのほかダイレクト 直球な海外版とぼかす日本版 日本語版発売の際に気になるのは海外版との表現の違い。ゴア表現で規制がかかるのはよくあることですが、日常生活を描いた作品でも細かく変更しているものがあります。 主なものは、英語だとSkype、Netflixなどの企業サービス名がそのまま出てきます。デザイン面では多少変更しますが、会話で出てくるものに関しては特段隠すこともなく使われます。日本語でも「ググる」というように、英語でも「google」で検索する、「skype」でネット通話する、といったような「名詞の動詞化」が浸透しています。 【海外版との違い】審査機関における禁止表現に該当するゲーム内オブジェクト数点(落書きなど)の内容を変更しております。画像ご参照。オリジナルの表現を楽しみにしていた方には誠に申し訳ございません(真摯) #ライフイズストレンジ pic.twitter.com/ynfCMV8Y3u- Life is Strange JP (@lis_jpn) January 12, 2016 年頃の高校生と言うことで、この辺の話題も時々出てきます。国内レーティング制度では禁止表現に該当するため、日本語版ではごまかしてありますが、英語版では性教育の話も隠さず出てくるのでご注意を。これをわざわざ手で書き直すのもローカライズの隠れた苦労なのでした。 ■アメリカのオオカミ もう一つの偏見と迫害 目的地の「プエルト・ロボス」はスペイン語で「狼の港」を意味し、ショーンとダニエルは自分たちを放浪のオオカミになぞらえます。これは実際にあるオオカミの習性で、親元から離れた若いオオカミは、迎え入れてくれる群れ、あるいは自分たちの新しい縄張りを探して長距離を彷徨います。時には数千キロにも及ぶ長旅になり、途中で命を落とす場合も多いのです。アメリカでは「ジャーニー(OR-)」というオオカミが有名で、2011年から2012年にかけてオレゴン州北部からカリフォルニアまで約1,600kmの行程が記録されています。 実は、アメリカのオオカミは一度いなくなったことがあります。家畜産業にとっては確かに敵でしたが、人里に出てこないオオカミまでも狩りの対象となって、20世紀には絶滅寸前まで追い込まれます。その反動によるシカの食害が表面化すると、今度は再び捕食者として再導入が計られます。現在は保護対象となっていますが、駆除推進の意見も未だ根強く残っています。 覚えておきたい英単語集:まさかの時のスペイン語とネットスラング Hola!:やあ、こんにちは(挨拶)Señor:~さん(敬称)Papito:父さんMijo:息子Cerveza:ビールMuy pronto:今すぐにOMW:今行く(On my way)BFF:ズッ友、永遠の友達(Best Friend Forever)JK:冗談(Just kidding)WTF:ちくしょう(What the fuck) 今週のキーフレーズ:You’re the reason we need to build the wall… おまえらのせいで壁を作らにゃならんのだ……舞台となる2016年はちょうど前回の大統領選が行われた年であり、エピソード1の日付は10月末とまさに一般投票直前の時期でした。差別的発言を憚らないトランプが当選したのはあまりに衝撃的であり、世相を表すものとして『DEATH STRANDING』などでも言及されています。 一般的に「壁」と訳される「the wall」のことを、トランプ現大統領は時々「the Great Wall」と表現します。これはそのものズバリ中国の「万里の長城」を指す言葉です。始皇帝の時代に異民族の侵入を防ぐために造った城壁と同じものを、本気で造ろうと言っているのです。 現在のアメリカとメキシコの国境は1846年の米墨戦争前後に確定したもので、まだ200年も経過していません。カリフォルニアからテキサスまでそれまではメキシコ領でした。スペインとの覇権争いもあってアメリカが強引に侵略を進めたので、メキシコ側からすると「奪われた」格好になります。現在の「長城」も、この長い領土争いの最前線にあると言えるでしょう。 練習問題:次のスペイン語を訳しなさい。 Este tipo es un idiota.日本語版においても、この場面はそのままスペイン語で表示されていましたね。アメリカは移民の国であり、公用語が英語であっても、実際はそれだけでは収まらない多様性が存在します。特にスペイン語は南米からの流入が多く、単語程度は知っておくと何かと役に立つ場面も多いでしょう。難しく考えずに方言のつもりで覚えれば、文化理解の幅が大きく広がります。

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