全てを失い公園暮らしも… 困窮するベトナム人の“駆け込み寺” 「大きな家族」が叶えた住職の夢 愛知・名古屋市
中京テレビ 「キャッチ!」 12月1日放送より
新型コロナの影響で、仕事を失い、帰国することもできない外国人たち。名古屋にある“駆け込み寺”に身を寄せ合う彼らが、住職の夢をかなえました。
名古屋市天白区の徳林寺。ここには、新型コロナの影響で困窮するベトナム人たちが身を寄せ合っています。 「仕事ないです。コロナですから、5月から今まで」(来日5年・男性(29)) 「仕事ありませんから、お金ない」(来日3年目・男性(27)) 取材した日、彼らは境内をバリアフリー化する作業に汗を流していました。セメントを運び、でこぼこになってしまった道を器用に修復していきます。 この寺に身を寄せるベトナム人たちは、新型コロナの影響で仕事を失い、収入も家も失いました。さらに母国に帰ることもできず、困難な状況にあるといいます。
窮地に陥ったベトナム人を支援しているのが、徳林寺の高岡住職です。 「そういう人たちに早く手を差しのべることが大事です」(徳林寺 住職 高岡秀暢さん) 新型コロナの終息が見えないなか、この寺で過ごしたベトナム人は120人を超えました。 境内の掲示板には、ベトナム語で「徳林寺の大きな家族」との言葉が。身を寄せたベトナム人たちが、まるで家族のように共同生活を送っています。
徳林寺にベトナム人が集まるようになったのは4月中旬ごろ。 5月中旬に取材に伺ったときは、12人のベトナム人が身を寄せていました。彼らは、寺の中にある参拝者用の宿舎を住まいとしています。 日本に来るため、多額の借金を背負っているベトナム人たち。光熱費などは寺がもち、住職は彼らから生活費を一切とりません。 そして、食料は全国から送られてくる支援でまかなっています。
6月下旬になると、寺に身を寄せるベトナム人は50人を超えました。 先の見えない毎日の中、住職は流しそうめんや運動会など、寺でさまざまなイベントを行ってきました。 一見、明るく振る舞っているようですが、帰りたいのに帰れない、そして働くこともできないという不安のなか、うつ状態となっていた人も。