ハリケーンは温暖化で早く強くなっていた。日本の台風も同じ傾向に
一時的だと言ってくれ…。 今年は特にハリケーン被害が大きかったので、めっちゃ強くなってる気はしていましたけど、ハリケーンはやっぱり強くなっていたようです。 【全画像をみる】ハリケーンは温暖化で早く強くなっていた。日本の台風も同じ傾向に
2019年以降のハリケーン、風速増し増し
まず、アメリカの非営利気候研究機関であるクライメート・セントラルのDaniel Gilford氏らがEnvironmental Researchに発表した研究結果によると、人為的な温暖化の影響で、2019年から23年の間に発生した大西洋ハリケーンの風速が強くなっていたことが明らかになりました。 研究チームは、2019年から2023年までに発生した大西洋ハリケーンの風速の強さを、気候モデルを用いて温暖化した世界と温暖化していない世界で比較しました。 その結果、同期間に発生したハリケーンのうち30個は、温暖化していない世界と比較して、ハリケーンの強さを示すサファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールでカテゴリーひとつ分程度強くなっていたといいます。 2019年のハリケーン「ロレンツォ」、2022年の「イアン」、2023年の「リー」は、温暖化が主な要因となって、ハリケーン5まで発達したといいます。 米海洋大気庁(NOAA)によると、カテゴリー5のハリケーンの勢力の強さは、カテゴリー1のハリケーンの400倍以上、カテゴリー3の14倍以上、カテゴリー4の5倍以上になります。
2024年のハリケーンは最大時速47km増し
さて、もうひとつの分析結果として、アメリカの非営利気候研究機関クライメート・セントラルが発表した報告では、上述の研究と同じ方法を用いて、2024年に発生したハリケーンに対する人為的温暖化の影響を分析しています。 その結果、大西洋ハリケーンの風速が2019年以降に平均で時速29km(毎秒8m)強くなったことが明らかになっています。 今年ハリケーンに発達した11個の暴風雨のうち、「フランシーヌ」を除くすべてのハリケーンが、温暖化によってカテゴリー1つ分以上強くなったといいます。「ラファエル」にいたっては、温暖化がなければカテゴリー1ですんでいたはずなのに、カテゴリー3までジャンプしてしまったそうです。 温暖化によって最も最大風速が強くなったのは、「アイザック」と「ラファエル」の時速45km(毎秒12.5m)で、11個のハリケーンを平均すると、時速18.2km(毎秒5m)分強くなったことがわかりました。 フロリダ州や南東部に甚大な被害をもたらした「ヘリーン」と「ミルトン」は、温暖化によってそれぞれ時速26km(毎秒7.2m)と時速37km(毎秒10.3m)も風力が強くなっていました。 ハリケーンの強さが増した主な原因は、気候変動によって1.4度暖かくなっていた海面水温だそう。ハリケーンが通った海域の海面水温がここまで暖かくなる可能性は、温暖化によって800倍も高くなっていたといいます。 温暖化の影響で、2019年から23年までに発生したハリケーンの84%、2024年に発生したすべてのハリケーンで最大風速の増加が確認されたとのこと。 クライメート・セントラルのGilford氏は、声明で次のように述べています。 2024年のすべてのハリケーンは、100年前よりも強くなっていました。人間による炭素汚染は、記録的な海洋温暖化を通して、私たちの地域のハリケーン被害を悪化させています。