片思いをこじらせ34歳まで交際経験ゼロ。“結婚は人生の墓場”だと思っていた私が、幸せな家庭を築くまで【わたしたちの大人婚物語】
夫と出会えたことが、一番の幸運
その後、37歳で第1子、39歳で第2子を出産。妊娠を機に専業主婦になった。 「Mとの二人の時間を楽しみたかったので、出産はそんなに急いでなかったのですが、生まれてきたらもう可愛くて可愛くて。今では完全に、愛の対象は子どもに移ってしまいました」 Mさんは今でもTさんと手をつなぎたがり、毎日のスキンシップも欠かさないそう。 「友達夫婦の話を聞くと、今でも手をつないでいる夫婦は珍しいそうで、Mが変わらず愛情を注いでくれることにもっと感謝しようと反省しました。最近は自分から手をつないでみたりしています。Mは私が育児で疲れていると、お土産を買ってきてくれたり、家事を全部やってくれたり、自分だって仕事で疲れているだろうに、労わってくれるんです。こんなに思いやりのある人が自分の夫になってくれて、不毛な片思いに悩んでいた日々が全て報われました」 大人婚でよかったことはなんですか。 「20代でさんざん遊び、海外生活もしたからこそ、今、家庭の穏やかな幸せを噛みしめることができるのかなと思います。何より結婚相手がMだったことが一番の幸運。34歳の〈同い年合コン〉でしか、Mと出会えない運命だったのなら、34歳まで彼氏ができなくて本当によかったな、と思うくらい。子どもたちが大きくなったら、昔ホームステイしていたタスマニアに家族で行くのが夢です」
文:清 繭子