都民ファの音喜多、上田2都議が離党「情報公開の不徹底」など会派運営批判
小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」に所属する音喜多(おときた)駿都議(34)と上田玲子都議(52)は5日午後、都庁で会見し、同会に離党届を提出したと発表した。今後、両氏は以前活動していた会派「かがやけTokyo」を復活させ、同じ名称の会派を結成する。
調査権を奪われては「古い都政を新しくできない」
2016年7月の都知事選挙で、音喜多・上田両氏は現知事の小池氏を支援。当選後の翌2017年1月には、両角穣(もろずみ・みのる)氏(55)と3人で結成していた会派「かがやけTokyo」の名称を「都民ファーストの会東京都議団」に変更。小池知事の少数与党として活動してきた経緯がある。 上田氏は、小池知事に対して「しがらみと一線を画す政策を実現する都政のトップリーダーになっていくもの」と期待したが、「都民ファーストの会の運営は真逆のものだった。“知事ファースト”ではないかという疑念を払拭できなかった」と述べた。 離党理由について、音喜多氏は「情報公開の不徹底」を挙げた。9月に荒木千陽(ちはる)氏が新代表に就任した際、同会は小池氏を含む少数の幹部で選出した。音喜多氏は「われわれには過程が一切知らされなかった。ブラックボックスそのもの」と批判。「情報公開の徹底」を政策の一丁目一番地に掲げたにもかかわらず、「都民ファーストの会の情報公開が不十分なうちに、国政選挙に力を尽くすのは順番が逆だ」と、国政政党「希望の党」を立ち上げた小池氏を批判した。上田氏も「役員会が会派の意思決定をする。荒木代表の就任も、所属都議はまず報道で知り、それからメールで通達があった」と不透明な会派運営を指摘した。 上田氏は「議員の調査権や発言権の抑制」も理由とした。与党でありながら資料要求をしてはいけないなどの制約があり、「調査権を奪われていては古い都政・都議会を新しくすることはできない」と語った。また音喜多氏はメディアからの取材に許可なく応じないよう幹部から指示され、「ほとんどのメディアに出るのを事実上禁じられた」と明かした。 今後、両氏は会派「かがやけTokyo」で都議を続ける。小池都政とは「是々非々」の態度で臨むとし、音喜多氏は「議案には反対することも出てくると思う」「条例案は共同提案も増えてくるんじゃないか」などと語った。今後、他の都議にも会派参加への呼びかけをするのかという問いに、上田氏は「来るなら『いらっしゃい』というが、強引に引き剥がすことはない」と述べた。 (取材・文:具志堅浩二)