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安倍首相、航空会社などに「医療物資」生産要請…「批判殺到」した理由は?

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声優としても活躍中の鈴村健一(月~木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。4月16日(木)放送の「リポビタンD TREND NET」のコーナーでは、ネットニュースサイト「ねとらぼ」編集長・加藤亘さんに、「批判殺到! 航空会社の客室乗務員による防護服の縫製支援」についてお話を伺いました。 安倍晋三首相は4月16日(木)、ANAホールディングス・片野坂真哉社長ら経営者とテレビ会議で懇談。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各地で不足している「医療物資」の生産拡大に向け、協力・支援要請をしました。現在、国際線9割、国内線5割が運休しているANA・片野坂社長は「地上職員や乗務員に余力がある」と述べ、縫製会社の指導のもと「医療用ガウン」縫製協力をおこなうことを表明しました *  *  * 鈴村:このニュースに大きな批判が集まっています。これは、どういったニュースですか? 加藤さん:この問題に注目が集まったのは、西村康稔(やすとし)経済再生担当大臣の発言がきっかけでした。まず、4月7日(火)の安倍首相の会見で、「欠航が相次ぐエアラインのみなさんは、医療現場に必要なガウンの縫製を手伝いたいと申し出てくださいました」という発言がありました。 そして、4月8日(水)に西村大臣がBSフジの番組で、「医療現場の防護服を確保するために、休業中の航空会社の客室乗務員に縫製を支援してもらう方向で調整している」と明らかにしたうえで、「客室乗務員さんたちも手伝うという申し出があった」と述べました。 これらの発言に対してネット上では、「なぜ客室乗務員が防護服を縫製することになるのか?」と批判が集まりました。縫製といえば従来“女性の仕事”という扱いを受けてきた作業で、それを女性比率の極めて高い職種である客室乗務員だけに割り振ることについて、「女性は縫製ができるという差別的な考えに基づいた行為だ」という意見があがってきました。 また、縫製業の方々からも、医療現場で使用する衣服を、縫製のプロではない人に任せることは「縫製業の専門性を軽んじる行為である」という趣旨の批判も出てきて、「#縫製業なめんな」というハッシュタグまで生まれました。 鈴村:実際のところはどうですか? 加藤さん:ねとらぼ編集部でANAの方に取材をしまして、報道の事実確認をおこないました。それによると、ANAとしては「政府から企業としての協力の相談をされていたので、客室乗務員に限定したものではなく、職種に限らずANAグループとして前向きな協力を申し出ていた」ということなんですよね。また、防護服ではなくて、ガウンの縫製支援だと聞いているようなんです。 鈴村:安倍首相の最初の発言は「ガウン」というのは僕も覚えていますが、その後、「防護服」になっていき、話がズレてしまったということですよね。 加藤さん:そうですね。あとは、客室乗務員さんに限定してしまったところもズレがありました。もう少し突っ込んで、ズバリ!「縫製業務をするのは客室乗務員だけなのか?」と聞いてみたところ、やはり「職種は限定していない」「ANAグループ社員がどのような形態で協力できるのか、様々な可能性を検討している」とのことでした。 そして、今回起きている批判については、ANAとしても客室乗務員に限定するという話しは聞いていないので、西村大臣の発言には「弊社も困惑しております」という返答でした。 鈴村:どこかで話がズレてきてしまったところがあるんでしょうかね。 加藤さん:“思い込み”みたいなものがあったのかもしれないですね。 取材内容をまとめると、縫製支援は政府から航空会社各社に要請されたものであって、縫製するのは「防護服」ではなく「医療用のガウン」です。 そして、縫製に協力するのは、「客室乗務員だけではなく、グループ全体で対応する予定で、専門家のアドバイスを受けながら、縫製の専門技術を持たないANAにも支援できることを検討している」とのことです。 鈴村:政府の対応についてはどう思いますか? 加藤さん:まず、縫製のプロではない航空会社の方に対して縫製の協力要請をおこなう理由が不明です。新型コロナウイルスの影響で航空会社職員の職務が激減しているのは、確かだと思うのですが、同様の、あるいは、それ以上の影響を被った業界は航空業界以外でも多くあるわけですよね。そのようななか、“なぜ航空会社なのか?”という説明が必要だと思います。 また、西村大臣の「客室乗務員さんたちが手伝う」という発言は、客室乗務員さんに限定した縫製支援要請の事実がない状態での発言だとすれば、「女性」と「縫製」を結びつける偏見に基づいた発言と受け取られる余地があるのではないかと。 政府には今後、予算とマンパワーの分配について、誠実な説明が求められるのではないかと思います。 鈴村: 今、航空会社をはじめ、さまざまな業態が動けなくなっていて、本来の仕事ができない環境の人が多いと思います。僕は、このニュースを最初に聞いたときは良い話だと思って、今何もできなくて待機している状態であれば、できることを考えることも必要だと思ったんです。 こういう状況なので、仕事がなくなった方もいれば、忙しくなった方もいます。今は一時的かもしれませんが、人が必要なところに力を貸しに行く流れは、これから長期戦になっていく状況で考える必要はあると思います。そのようななか、いちゃもんがついてしまったのは残念に思います。助け合う気持ちをきちんと持つことに立ち返って、話したほうがいいのではと思いました。 (TOKYO FMの番組「ONE MORNING」4月16日(木)放送より)

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