備前焼がコロナ禍で打撃…名だたる作家の作品を備前市のふるさと納税返礼品に【岡山・備前市】
岡山放送
岡山県が誇る備前焼が新型コロナウイルスで打撃を受けています。そこで立ち上がったのが人間国宝の伊勢崎淳さんら備前焼作家たち。名だたる作家の作品が10月15日から備前市のふるさと納税の返礼品に加わりました。 備前焼特有の模様、「ひだすき」や「胡麻」の魅力が1枚に表現された大皿。 岡山県が誇る人間国宝、伊勢崎淳さんが製作した作品で、334万円以上寄付すると返礼品として受け取れます。備前市が15日からふるさと納税の返礼品に加えたのは伊勢崎さんや県の重要無形文化財保持者の作品など約50種類の備前焼です。 (人間国宝 伊勢崎淳さん(84)) 「町を歩いている人が少なくて…こういうことはこの数十年で初めてじゃないかと。市のためだし備前焼のために協力した」 (新田俊介記者) 「備前焼を販売する店が多く立ち並ぶ通りです。平日の昼ということもありますが、行き交う人はほとんどいません」 備前焼は購入者の多くが市外の人で、新型コロナによる外出自粛の影響は4月以降、顕著に現れました。創業27年目の店では初めて、1日の来店がゼロの日があったといいます。 (備前焼 陶吉 尾仲忍さん) 「コロナになってからは、最近ちょっと増えましたがまだ全然…大変な時期だと思っています」 備前焼陶友会によりますと、加盟する作家の売上は2019年の4割。 本来なら今週末に開かれる予定だった一大イベント、備前焼まつりも中止となり、ふるさと納税を通じた需要の掘り起こしに期待がかかります。 (陶吉 尾仲忍さん) 「皆さんに備前焼の良さを知っていただきたい」 市は返礼品の追加に合わせてふるさと納税のポータルサイト、「ふるさとチョイス」に備前焼の特集ページを組み、PRする考えです。 (備前市 田原隆雄市長) 「広く幅広いファンの心をつかもうじゃないかと」 (人間国宝 伊勢崎淳さん) 「大きな期待を持っていますよ」 新たな取り組みは800年の歴史を持つ地場産業を守ることにつながるのか。 成果が注目されます。
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