日本海に浮かぶ西ノ島・焼火神社の神楽を豪華本に 石州和紙を使用 東京・銀座蔦屋書店で展示販売
島根県西ノ島町美田の焼火神社で営まれた隠岐島前神楽をモチーフにしたアートブック「神迎え」が東京・銀座の書店で展示販売されている。石州和紙を使って美術作品のように付加価値を高めており、西ノ島町や浜田市に伝わる文化の発信にもつながっている。 【写真】人口1万人弱、山あいのまちに「独立系」書店が続々開店
「神迎え」は2022年7月の焼火神社例大祭で隠岐島前神楽保存会が舞った奉納神楽の様子を、画家の水野竜生さん=東京都=が水墨画風に描き、文筆家稲垣麻由美さん(56)=神奈川県=が、神楽の口上を基に文章を添えた。 桐(きり)箱や水野さんの原画が付く特装版(縦35センチ、横23センチ、33万円)と、小型の書林版(縦18センチ、横7・2センチ、8800円)があり、ともに22ページの蛇腹折り製本となっている。 2月に完成して焼火神社に奉納した後、ネットで注文を受けていたが、稲垣さんの知人の紹介で、アートと日本文化に特化した銀座蔦屋(つたや)書店の外国人向け書籍コーナー近くで12日に展示を始めた。 外国人観光客が足を止めるほか、同町出身者が購入し、「家宝にしたい」と喜びのメッセージが稲垣さんに届いたという。 併せて西ノ島町の観光パンフレット配布や西田和紙工房(浜田市三隅町古市場)の和紙も展示販売している。稲垣さんは「本を見てもらう場所としては最高で、隠岐や日本文化の美しさが多くの人に伝わるとうれしい」と話した。展示販売は12月11日まで。