【フェイクニュースに惑わされない!】ジャーナリスト佐々木俊尚さんに聞く!情報力を高めるDo&Don’t
SNSが普及して、誰でも簡単に発信者になれる今、世の中には陰謀論やデマなど不確かな情報がいっぱい。今回はジャーナリストの佐々木俊尚さんに、情報力を高めるDo&Don’tを教えていただきました。
「良質な情報を手にするには“共感より信頼感”という視点の切り替えを」
ジャーナリスト 佐々木俊尚さん テクノロジーから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで幅広く発信し、日本のインターネット論壇における最強の論客の一人。「ノマドワーキング」「キュレーション」などの言葉を日本社会に広めたことでも知られる。総務省情報通信白書編集委員。情報ネットワーク法学会員。
信頼できる情報を得るには時間的なコストや手間がかかる
「確かな情報は何から得たらいいですか?」という読者の方からの質問がありましたが、“真実はひとつ”ではないし、残念ながらそう簡単な話ではありません。情報量が飛躍的に増えた今、不確かな情報も多く、事実は確かでも認識が違うケースもあり、ひとつの情報だけでは信頼できるかどうかの判断が難しい。まずは、情報の経路を複数持つことです。その上で僕は、気になった記事はツイッターでURL検索します。記事に対するほかの人々の反応や評価を通すことで、信憑性が判断できる。最近では、専門家の情報でも疑わしいケースがありますよね。そこで、専門家同士のSNSのつながりを見るようにすると、そのコミュニティでの信頼度が見えてきます。強い言葉を使っている、複雑なことを単純に説明しすぎているなど、明らかに信頼に値しない情報に触れないことも大事です。 “中立な報道”を求める人も多いですが、中立はそもそも存在せず、多様な視点を提示してくれる報道が理想的だと僕は考えています。一つの視点だけを提示してこうだと言い切られると、聞いているほうは気持ちがいいですが、それは全体像ではありません。たとえばウクライナ侵攻に関してならば、ウクライナからとロシアからの見方、NATOは、アメリカは、日本は、さらに歴史的見解はと、様々な見方を総合的に教えてくれることにより理解が広がるわけです。本当の『知る』とは、ひとつの出来事について多くの視点を獲得し、様々な角度から見ることだと僕は常に肝に銘じています。