3回戦屈指の好カードは伝統校武南に軍配
3回戦屈指の好カードは伝統校に軍配が上がった。 10月24日、高校サッカー選手権埼玉県予選の3回戦が行われ、14年ぶりの檜舞台を目指す武南は埼玉栄と対戦。4-2-3-1の布陣で挑むと、立ち上がりからショートパスと個人技を生かしたアタックを見せる。最前線に入る吉澤和(3年)がポストプレーで時間を作ると、左サイドハーフの杉本駿吾(3年)と右サイドハーフの水野将人(2年)がスピードを生かしたドリブル突破で相手を翻弄。相手を何度も慌てさせた。しかし、クロスやシュートに持ち込めずにいると、次第に敵CBのブロックに阻まれる場面が目立つようになる。中盤でも自由にボールを持てず、ボールロストの回数も増加。序盤の勢いを持続できず、スコアレスで後半を迎えた。 【フォトギャラリー】武南 vs 埼玉栄 ハーフタイムを終えても流れを変えられない。埼玉栄の主将・MF桑田祐輔(3年)に中盤からボールを展開され、FW岡田滉士(3年)などにゴール前へ迫られた。だが、ゲームキャプテンのCB渋谷高輔(3年)を中心に粘り強く対応。後半27分に竹内聖時(3年)が足の痙攣で途中交代を余儀なくされるアクシデントもあったが、得点を与えずに80分を終えた。 10分ハーフの延長戦に入っても一進一退の攻防が続く。武南だけではなく、相手にも疲労の色が濃くなり、オープンな展開が増えた。その中で武南は懸命にボールをつなぎ、相手の背後にボールを送ってチャンスを作り出そうとする。延長後半もサイド攻撃に勝機を見出すが、なかなか得点を奪えない。 苦しい時間帯が続いた中で、ついにスコアが動く。5分、途中出場の井上修吾(3年)からパスを受けた水野が左サイドを打開。一度はクロスを上げようと試みたが、咄嗟の判断で縦に抜ける。シュートコースはほとんどなかったが、角度のない場所から右足を一閃。強烈なシュートをファーサイドに突き刺し、待望の先制点を奪った。 以降は相手の猛攻を跳ね返し、高い集中力でリードを守る。終了間際には井上が高い位置でボールを奪い、最後はこぼれ球を拾った植田彪真(3年)がダメ押し弾。苦しみながらも2-0で埼玉栄を下した武南は、昨年の代表校・昌平が待つ準々決勝へと駒を進めた。