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人気グループ「まるごと乗っ取り」セッション ハービー・ハンコック・グループ【ジャズを聴く技術 ~ジャズ「プロ・リスナー」への道】

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サライ.jp

ーーアルバム紹介ーー 笠井紀美子『バタフライ』(ソニー) 演奏:笠井紀美子(ヴォーカル)、ハービー・ハンコック(ピアノ、キーボード、ヴォコーダー)、ベニー・モウピン(サックス)、レイ・オビエド(ギター)、ポール・ジャクソン(ベース)、アルフォンソ・ムザーン(ドラムス)、ビル・サマーズ(パーカッション) 録音:1979年 「アイ・ソート・イット・ワズ・ユー」「テル・ミー・ア・ベッドタイム・ストーリー」「処女航海」「サンライト」など、ハンコック・ヒット・ソングに加え、スティーヴィー・ワンダーの「アズ」も収録。ちなみに「アズ」のオリジナルはスティーヴィーの『キー・オブ・ライフ』(モータウン)に収録されていますが、そのヴァージョンはハンコックのエレクトリック・ピアノ・ソロの名演でも知られています。ハンコックは、それを再演し、さらにヴォコーダーで笠井とデュエットまでするという大サービス(?)ぶり。やるとなればとことんやる人なのですね。

珍しいところでは、カシオペアが丸ごと「歌伴」をやっているアルバムがあります。ヴォーカリスト大野方栄(まさえ)の1983年発表『マサエ・ア・ラ・モード』(アルファ)は、ジャケットにもクレジットにも「カシオペア」の名前はありませんが、全曲を当時のメンバーである野呂一生(ギター)、向谷実(キーボード)、櫻井哲夫(ベース)、神保彰(ドラムス)の4人が演奏しています(数曲にゲストあり)。しかも2曲では、カシオペアの曲に歌詞を付けて歌っています。おそらくほかでは聴けない4ビート・ジャズの演奏もあり、カシオペア・ファンならチェックしておきたいところですね。 ーーアルバム紹介ーー 大野方栄『マサエ・ア・ラ・モード』(アルファ) 演奏:大野方栄(ヴォーカル)、野呂一生(ギター)、向谷実(キーボード)、櫻井哲夫(ベース)、神保彰(ドラムス)、鳥山雄司(ギター)、佐藤博(キーボード) 録音:1981年~83年 83年にリリースされたLPレコードはすぐに廃盤。CD化されたのはそれから30年後の2013年という、知られていなくても当然の隠れ名盤。 そういえば、前々回紹介の「歌謡曲+スーパー・ジャズ・セッション」でも、「まるごとバック」がありました。それは1979年12月リリースの郷ひろみ『スーパー・ドライブ』(ソニー)。このアルバムのバックはまるごと、ニューヨークのロック・フュージョン・グループ「24丁目バンド(The 24th Street Band)」なのでした。グループ名もきちんとクレジットされています。ジャケットをお見せできないのが残念なのですが、裏ジャケとインナーには、メンバー全員が主役の郷ひろみと同じ大きさの写真とイラストで登場しています。特別な「バック・バンド」ということがわかります。曲は歌謡曲のテイストですが、サウンドは24丁目バンド。24丁目ファンなら必聴です。 ーーアルバム紹介ーー 郷ひろみ『スーパー・ドライブ』(ソニー) 演奏:郷ひろみ(ヴォーカル)、24丁目バンド[ハイラム・ブロック(ギター)、クリフォード・カーター(キーボード)、ウィル・リー(ベース)、スティーヴ・ジョーダン(ドラムス)] 発表:1979年 このアルバムは、2017年にリリースされた郷ひろみの13枚組ボックス・セット『The 70’s Albums』(ソニー)で初めてCD化されました(LPリリースから38年!)。24丁目ファンなら必聴とお勧めしましたが、聴くのは難しいかも……。 文/池上信次 フリーランス編集者・ライター。専門はジャズ。ライターとしては、電子書籍『プレイリスト・ウィズ・ライナーノーツ「絶対名曲20」』を現在シリーズ刊行中。(小学館スクウェア/https://shogakukan-square.jp/studio/jazz/)。編集者としては『後藤雅洋著/一生モノのジャズ・ヴォーカル名盤500』(小学館新書)、『小川隆夫著/伝説のライヴ・イン・ジャパン』、『村井康司著/ページをめくるとジャズが聞こえる』(ともにシンコーミュージックエンタテイメント)などを手がける。

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