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レンブラントとダビンチ、偉大なのはどっち?

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The Guardian

【記者:Jonathan Jones】  今年それぞれ記念の年を迎えた2人の巨匠、レンブラント(Rembrandt)とレオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)――偉大なのはどちらだろうか?  レンブラントの出身国オランダは、レンブラントが亡くなった1669年から350年記念の今年を「レンブラントの年」と呼び、複数の美術館で特別展を開催する。一方、1519年に亡くなったダビンチも今年は没後500年の記念の年に当たり、フランスや英国で展示会が開催される。  レンブラントとダビンチ、どちらの没後記念が大きな出来事と言えるのだろうか?一見するとレンブラントの方が重要に思える。レンブラントの作品は強烈に人を引き付け、悲壮で、われわれを内省させる。レンブラントの描く肖像画は、文学で言えばウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)の悲劇「リア王(King Lear)」に例えることができる。われわれの魂にその影がずっと残る画家だ。  対照的にダビンチは、その死から500年たった今でも市場をにぎわすポップスターだ。少々暑苦しいとさえ言えるかもしれない。ダビンチが描いた「モナ・リザ(Mona Lisa)」の前でスマートフォンを構える観光客の中で、自分だけそうしないわけにはいかない気さえする。レンブラントの絵画がもたらす瞑想(めいそう)的な静けさを味わう余地はそこにはない。  英ロンドンのケンウッドハウス(Kenwood House)で、レンブラントの「二つの円と自画像」を鑑賞しても、カメラに取り囲まれることはないだろう。自画像の黒い瞳をのぞき込むと、その目もじっとこちらを見返してくる。彼の意識の存在は、色調を抑えた古風で柔らかい筆遣いの中に隠れている。レンブラントがその筆で生み出したのは、彼自身であると同時に、未完成の世界地図のようでもある。その姿は気高いが不完全でもあり、問題を抱えた一人の人間が、同じように問題を抱えているもう一人の人間を見つめるかのように、われわれを見返してくる。  ダビンチが人間をこれほど無防備で、生々しく描いたことがあるだろうか? 違う問いの立て方をするとすれば、30歳に満たない若者が、レンブラントにひかれることなどあるだろうか?画家の内面を表している自画像はどれも素晴らしいが、ダビンチの自画像には、別格と感じさせるような普遍性がある。

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