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『あつまれ どうぶつの森』が大賞を獲得! 『日本ゲーム大賞 2020』受賞作を振り返る

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リアルサウンド

 9月27日、『日本ゲーム大賞 2020(JGA 2020)』年間作品部門の受賞タイトルが発表された。 【写真】全編『あつ森』で作られたミュージックビデオも話題に  PlayStation5の発売を間近に控え、新しい時代の幕が上がる今年。価値ある賞へと選出されたのは、どのタイトルだったのだろうか。本稿では、同賞の受賞作から3タイトルをピックアップし、選出に至る背景を振り返っていく。 ・『日本ゲーム大賞』とは  『日本ゲーム大賞』は、年間を代表するにふさわしい評価を獲得したゲーム作品などに贈られる賞だ。1996年に『CESA大賞』の名で初開催され、今年で24回目。今回取り上げる「年間作品部門」のほか、「経済産業大臣賞」「フューチャー部門」「アマチュア部門」「U18部門」といった区分があり、それぞれに明確な選考基準がある。「年間作品部門」では、前年の4月1日からその年の3月31日までの1年間に国内でリリースされた全タイトルを対象に、「ゲームデザイン」「プログラミング」「グラフィック」「サウンド」「シナリオ」「ユーザー評価」の6つの観点から、審査で大賞、優秀賞などが選ばれる格好だ。 ・『日本ゲーム大賞 2020』年間作品部門、大賞・優秀賞の受賞タイトル  『日本ゲーム大賞 2020』年間作品部門における大賞・優秀賞の受賞タイトルは以下の通り。 ・大賞 『あつまれ どうぶつの森』 ・優秀賞 『あつまれ どうぶつの森』 『十三機兵防衛圏』 『DEATH STRANDING』 『仁王2』 『ファイアーエムブレム 風花雪月』 『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』 『ポケットモンスター ソード・シールド』 『モンスターハンターワールド:アイスボーン』 『龍が如く7 光と闇の行方』 『リングフィット アドベンチャー』  ここからは大賞・優秀賞の受賞タイトルから3作品をピックアップし、選出に至る背景を振り返っていく。 ・『あつまれ どうぶつの森』  大賞に輝いたのは、『あつまれ どうぶつの森』だ。  2020年3月20日の発売以降、男女問わず幅広い年代から支持を集め、国内での累計販売本数は、9月6日時点で562万本に達した。同時点におけるNintendo Switchの国内累計販売台数が1,500万台なので、3人に1人以上が同タイトルを購入している計算になる。この数字のインパクトはあまりにも大きい。春以降続くNintendo Switchの品薄状況は、同タイトルによって牽引されたとも考えられ、文字どおり2020年のゲームカルチャーを代表する一大ムーヴメントに。「『あつまれ どうぶつの森』が選ばれないのなら、いったいどのタイトルが大賞となるのか」というほどの快進撃だった。 “「どうぶつの森」シリーズの最新作。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、自粛生活を余儀なくされた中、何をするのも自由な本作でのスローライフ体験は、世界中の人々の癒しに。また、本作を通じた親しい友人とのコミュニケーションやイベントでの他の人々との交流は、単なるゲームの枠にとどまらず、日本発のエンターテインメントの持つ力を改めて人々に示した点、さらには一般投票で、子どもからシニアまで、多くのユーザーから圧倒的な支持を受け、「優秀賞」ならびに、満場一致で令和最初の「大賞」受賞となりました。なお、日本のコンピュータエンターテインメントソフトウェア産業の成長・発展に寄与し、多大なる貢献をされた人物や団体に贈られる今年度の「日本ゲーム大賞 経済産業大臣賞」も『あつまれ どうぶつの森 開発チーム』が受賞されました。”(選出コメントより引用) ・『十三機兵防衛圏』  2つ目にピックアップしたのは『十三機兵防衛圏』。  シリーズ作品の躍進が目立つなかで、『DEATH STRANDING』や『リングフィット アドベンチャー』といった単発タイトルが優秀賞へと輝いたが、同タイトルの受賞は、それらとまた違った意味を持ちそうだ。  『十三機兵防衛圏』は、ノベルゲームという、ほかに比べてやや面白さが伝わりづらいジャンルをホームグラウンドとしている。つまり、「わかりやすさ」や「話題性」といったアドバンテージが少ないなか、“後天的”なクオリティで評価を獲得し、今年度を代表するタイトルとなったのだ。  発売初週の売上本数は、“たった”3万5千本。この数字は、初週で200万本近くを売り上げた『あつまれ どうぶつの森』の実績に遠く及ばない。『十三機兵防衛圏』の次に少なかった『リングフィット アドベンチャー』でも約7万本を売り上げているのだから、スタート地点の違いがあったのは明白だろう。しかしながら文化的な視点では、最も大きな爪痕を残したタイトルだと言えるのではないだろうか。同タイトルの名がここに並び立っている、その異質さを語らずにはいられない。 “十三人の少年少女が、それぞれの視点、立場で「機兵」と呼ばれるロボットに乗り、「避けられぬ破滅の運命」に時を超えて抗う、壮大なSFアドベンチャーゲーム。絵画を思わせるグラフィックと滑らかなアニメーションで描かれた表情豊かなキャラクターたち。現在、過去、未来にわたり、複雑に絡み合う十三人の主人公の群像劇。そして、十三人の視点を自由に行き来しながら徐々に明らかになっていく物語の全貌に、多くのユーザーから「心を揺さぶられた」「ゲームの世界に引き込まれた」との声が寄せられての受賞となりました。”(選出コメントより引用) ・『モンスターハンターワールド:アイスボーン』 『あつまれ どうぶつの森』を、国内で最も売れたNintendo Switchのタイトルとして挙げるならば、『モンスターハンターワールド』は、国内で最も売れたPlayStation4のタイトルだ。その大型拡張コンテンツとして、2019年9月にリリースされた『モンスターハンターワールド:アイスボーン』は、2020年8月30日時点で世界580万本(国内は未発表)を売り上げている。  『モンスターハンターワールド:アイスボーン』は、拡張コンテンツという位置づけであるため、ゲーム本編の『モンスターハンターワールド』を持っていなければ遊べない。そのような仕組み上、本編以上に売れることはあり得ないのだが、それでも世界580万本を売り上げてしまう点に『モンスターハンターワールド』のコンテンツとしての強さがある。  このことは、おなじく優秀賞を受賞した『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』にも通ずる。『ペルソナ5』(2016年)の完全版としてリリースされた同タイトルは、オリジナル版をベースに数々の新要素を加えた、“フルプライスの準新作”的位置づけながら、世界140万本のセールスを記録した。オリジナル版とあわせると500万本にも及ぶ売上本数と、ゲームとしてのクオリティによって『ペルソナ5』は、四半世紀続くシリーズの代表作となりつつある。付加的にリリースされたタイトルの躍進も今年度の特徴だった。 “ファン待望の「モンスターハンター:ワールド」の超大型拡張コンテンツ。渡りの凍て地を舞台に、「ワールド」のエンディング後を描いた新たな物語。新たなクエストランクや防具武器、新モンスターの登場など新たな要素を追加、更に進化したハンティングアクションを駆使して楽しめる白熱の狩りに時間を忘れてプレイする多くのファンからの熱狂的な支持が寄せられての受賞となりました。”(選出コメントより引用)  実は直近5回の大賞のうち、4回をNintendo Switchのタイトルが受賞している。PlayStation4のタイトルが獲得したのは、『日本ゲーム大賞 2018』における『モンスターハンターワールド』のみだ。ちなみにこの年、同タイトルは、『スプラトゥーン2』を抑えて大賞へと輝いている。それがなければ、5年連続で任天堂に栄冠を明け渡す結果となるところだった。  「グラフィック」という圧倒的に有利な選考基準があるなかで、この結果はあまりにも寂しい。後継ハードが発売となる来年度、ソニーの巻き返しを期待したいところだ。

結木千尋

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