成田空港 第3ターミナル、開業の狙いは?
4月8日、成田国際空港に新しいターミナルビル「第3ターミナル」が運用を開始しました。羽田空港の国際化・便数増加や海外からの観光客増加など、日本の国際空港をめぐる動きが活発になるなか、この新しいターミナルはどのような役割を果たしていくのでしょうか。そこで今回は、オープン前の取材を基に、ターミナルの特徴やオープンの狙いについて解説します。
LCC専用ターミナルとして建設された第3ターミナル
成田空港 第3ターミナルは、延床面積が約66,000平方メートル、スポット(飛行機への搭乗口)の数は国際線で5つ、国内線で4つというコンパクトなターミナルビルで、年間旅客取扱能力は750万人。国内とアジア近距離路線で需要が高まっている格安航空会社(LCC:ローコストキャリア)専用のターミナルとしてオープンしました。 利用する航空会社は、これまで第1、第2ターミナルを使ってきたジェットスター航空、ジェットスター・ジャパン、バニラエア、Spring Airlines Japan、チェジュ航空の5つ。国際線は台湾、香港、韓国、オーストラリアの7都市、国内線は札幌、関西、四国、九州、沖縄の12都市に就航します。第1ターミナルからは空港内循環バス、第2ターミナルからは徒歩か循環バスでアクセスすることができ、鉄道では第2ターミナル駅から徒歩15分程度で辿り着きます。 ターミナルは24時間運用され、施設内には24時間営業のコンビニエンスストアや約450席を備えた大型フードコートが入居。出発ロビーはスポットに辿り着くまでの導線に沿って、書籍、旅行雑貨、お土産などが購入できる店舗が並び、両替所、保険カウンター、礼拝の習慣がある外国人観光客向けに礼拝室なども設置。国際線出国手続き後のエリアには成田空港内で最大面積となる免税店エリアが広がり、コンパクトながら旅行客に必要な設備・サービスが凝縮されているのが印象的です。ちなみに、フードコートは営業時間外も24時間休憩スペースとして利用することができ、椅子、テーブル、ソファベンチなどの家具は、デザイナーの深澤直人氏が監修し無印良品が制作したものです。