「車の中で使用し、大事故を起こす理由」『脱法ドラッグの罠』著者・森鷹久氏に藤井誠二が聞く(第5回)
藤井:なるほど。要するに、どんどん禁止薬物の包括指定という形でどんどんしていけば追いつくってことはないんですか。 森:また別の形で出てくると思います。 藤井:それだけ成分って無数に組み合わせがあって、作れるっていうこと。 森:あとはやはりもうかりますから、お金になる限り作る人もいて、需要も減らないはずです。 藤井:今回、本の中で僕いくつか、面白いって言ってはちょっと語弊があるけれど、売人や製造者に接近して、森さんが結構びびってるのも正直に書かれてますよね。 森:そうですね、びびりますね(笑)。 藤井:やっぱり、要するに自分がここでなんか危害を受けるんじゃないかとか、それから、これも正直に書かれてるけど、勢いで自分もすすめられた危険ドラッグをやっちゃって意識失ってしまったような状態でホテルで倒れてしまったと書かれてるけど、もしかしたらこのまま死んでしまうんじゃないかみたいな恐怖があったんじゃないかと思うんです。この取材を通して、恐怖感がすごかったんじゃないかと想像するんですけど。 森:そうですね。ちょっと試しに名古屋で脱法ハーブ、危険ドラッグか、吸ったときには、もう本当に、なんとも言えない、なんて言うんですかね、被害妄想にとらわれてしまいました。よくハードなドラッグを吸った方が被害妄想に陥っちゃうとか、誰かに見られてるとか追っかけられてるとかっていう話を聞いて、そんなことあるかいと僕は思ってたんですけど、そのときばかりはタクシーに乗っても誰かが追いかけてくるようで、後ろ見て、あ、追いかけてないと思って前向くと、いや、なんかこのタクシー運転手が実はグルで、なんか俺のことをおとしめようとしてるんじゃないかとか。 藤井:それは全然、快感からは程遠い。 森:もう、ええ、なんのためのドラッグか。言い方がちょっとおかしいんですけども。そのドラッグは店員さんかなんかに勧められたやつです。 藤井:じゃあ、バージョンの新しいやつですね。 森:そうですね。あと、そこの現場で、ハーブ店で名古屋は当時、ハーブ店の中で吸えるようなところがあったんですね。都内にもあったんです。