特集「キャッチ」学校ではない居場所を見つけた子どもたち 動画で伝えたかったこと 福岡
■中学校教諭 「テストです。」 ■只松さん 「ありがとうございます。」 届けられたのは、北九州市内の中学校の中間テストです。文部科学省は「不登校児」の勉強機会の確保として、民間の施設でも自立を助けるうえで適切と判断されれば「出席扱い」とすることを推奨しています。 「OHANA」では、学校の協力を得て、初めて「中間テスト」を実施しました。決して強制ではなく、子どもたちが自ら受けたいと言ったからです。 ■きずなさん(中1) 「(教科は)英語。(手応えは)微妙。」
中学1年生のゆうたさんの将来の夢は、動画編集者です。この日、ある提案をしました。北九州市が主催する国際映画祭のショートムービーコンテストに参加しようというのです。 ■ゆうたさん(中1) 「『こういうテーマがいいです』ってありますか。せっかくやけ『OHANA』のことも知ってもらいたいから、学校でいろいろあって、学校行かなくなって、不登校になって、そこから『OHANA』に行くことになって。」 びっくりしたのか、ほかの子どもたちの反応は今ひとつです。 動画のテーマは「不登校」で、ゆうたさん自身も小学5年生のころから学校に行けなくなりました。 ■ゆうたさん(中1) 「行けなかった時期の記憶がない。嫌なこと全部消してるから。」 部屋から出られない日もあったといいます。 ■ゆうたさんの母・登志子さん 「お友達とか学校の流れについていけないところがあって、怒られたりする機会も多かったので、自分はどうせダメな人間だから『生きていてもつまんない』みたいなことをよく言っていました。『どうして僕なんか産んだの、意味ないでしょう』と言われるとね、親としてはね。」 苦しんでいる我が子に、母も同じ痛みを感じていました。
「OHANA」は、定期的に保護者の集まりを開いています。 ■保護者 「(私が)『何としても学校に行くのが正しい』みたいなのもあって、引きずってお互いけんかしながら(学校に)連れて行ってました。でも違うよな。」 「(親も)何で(学校に)行かないの、みたいな態度だから、やっぱり(子どもは)自分を責め出すんですよね。自分の頭をボコボコたたいて。部屋の隅でたたいたりとかして。 泣けてくるけど。」 サポートが必要なのは子どもだけではありません。保護者の気持ちも一緒に分かち合います。