広瀬アリス（撮影＝村上順一）

　俳優の広瀬アリスが、フジテレビで10月9日22時スタートの水10ドラマ『全領域異常解決室』に出演。警視庁音楽隊カラーガード、通称「MEC（メック）」出身で踊ることが大好きな警察官・雨野小夢を演じる。本作は、身近な現代事件×最先端の科学捜査では解明できない“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」という世界最古の捜査機関が解決していく本格ミステリードラマ。雨野小夢は、主人公の興玉雅（演・藤原竜也）が所属する「全領域異常解決室」（通称「全決（ゼンケツ）」）に出向を命じられ、興玉とさまざまな“異常事件”に挑んでいく。インタビューでは、広瀬アリスが不可解な事件が巻き起こる、特殊なミステリードラマをどのように感じたのか、経験ゼロのダンスにも挑戦したという、撮影の裏側に迫った。【取材・撮影＝村上順一】 ■最初から最後まで興玉に振り回される小夢でいたい ――脚本を読まれて、どのように感じましたか。 　未確認生物、ユーマ（UMA）だったり、神様のような存在が出てきたりと、そういった作品への出演経験はなかったので、純粋に面白そうだと思いました。 ――広瀬さんが演じる小夢の印象はいかがでしたか。 　私が演じる小夢は「全決」に配属されますが、特別な知識や捜査経験がそこまであるわけではなく、なぜ小夢は「全決」に配属されたのだろう？というところから物語が始まります。監督からは「小夢は視聴者目線でいられる役なので、フラットにいてください」とリクエストをいただきました。なので、何も知らない感じをリアルに出すために、無知な状態で撮影に臨んだ方がいいんじゃないかと思いました。真剣に「ユーマ？」とか聞き返したりするんですけど、そういうお芝居もすごく楽しくて。最近は現実的な作品への出演が多かったので、今回のような作品は新鮮かつ斬新で、楽しく撮影しています。 ――何も知らない、無知な状態で撮影に臨んだ方がいいとのことですが、事前に準備されたことは？ 　一応ちょっとした知識みたいなものは、プロデューサーさんと事前にお話ししました。このドラマは前半と後半でストーリーがガラっと変わってくるのですが、後半部分のお話をクランクイン前にお話ししていました。藤原さん、小日向（文世）さんと私の3人でリハーサルをやったのですが、そのときに「こういうことだったんだ」と、後半のストーリーに繋がる気づきがありました。 ――今後の展開への伏線みたいなものが序盤からあるんですね。 　1話からあります。台本上ではいろいろ書かれていて、私たちもそれをお芝居として出していくのですが、おそらくそれは皆さんが観ていてもわからないと思うので、最後までドラマを見続けていただけたら、「なるほど」と思ってもらえると思います。 ――小夢を演じる中で難しいと感じられている部分もありますか。 　（取材時は）いま1話と2話を撮影しているところで、私が演じる小夢は、「オカルトなんて信じません」というキャラクターなので、難しさは今のところ感じてはいなくて、藤原さん演じる興玉に必死でついていっている感じです。とにかくキャストの皆さんのキャラクターが濃すぎるので、私はそっちの方でわーっとなっています（笑）。 ――個性派の役者さんが揃っていますから（笑）。藤原さんとは初めての共演ですが、どのようなバディ感を出していきたいと考えていますか。 　変化球の興玉とそれを制する小夢でいたいと思っています。この先、展開が変わっていったとしても、1話から大きく関係性が変わるようなことにはしたくないなって。最初から最後まで興玉に振り回される小夢でいたいと思っています。 ――ドラマ発表のときに、藤原さんとお会いしたときに「あまり目が合わなかった」とお話しされていましたが、今はいかがですか。 　合うようになってきました（笑）。他のキャストさんもいらっしゃって、皆さんと喋ることも多いので、そのときに藤原さんが「広瀬さんはどうですか？」と聞いてくれたときとか、目を合わせてくださいます。 ■翌日は見事に筋肉痛になってました ――さて、今回ダンスシーンがあるとお聞きしているのですが、練習はいかがでした？ 　この前、ダンスシーンを無事に撮り終えました！　慣れていないことなので、撮影当日は変な汗をたくさんかきました（笑）。 ――レッスンもされていたようですね。 　1時間半、休憩も挟まずみっちりレッスンさせていただきました。「あと2回踊って終わりましょう」となって、最後に動画を撮ることになったのですが、先生が「最後に私と一緒に本気で踊りませんか？」と言ってくださったので、動画撮影に本気で臨みました。 ――本気で踊られてみていかがでした？ 　私は1時間半ずっと踊りっぱなしだったこともあり、体力もほとんど残っていなかったので、ついていけなくなってしまって...。私から『もう一度踊らせてもらっていいですか』とお願いしました。5回ほど踊ったので、翌日は見事に筋肉痛になってました（笑）。 ――広瀬さん、ダンス経験は？ 　ゼロです！　先生から、「この振り付けはできますか？」と聞かれて、見よう見まねでやってみたのですが、「何か違うんだよね」と言われて（笑）。撮影までに3～4日ほどあったので、お家でも練習をして撮影に臨みました。 ――手応えはありました？ 　え～ダンスの手応えはないですよ！　編集で上手くやっていただきたいです（笑）。先生はもし間違えてしまったとしても笑顔で堂々としていればいい、とアドバイスをくださったので、そのお言葉に甘えさせていただきました。正直、撮影の2日目にダンスをやるのは、けっこう厳しかったのですが、何とか無事に撮り終えたので、もうダンスシーンがないことを祈ります（笑）。 ――あはは（笑）。最後にドラマを楽しみにしている方へメッセージをお願いします。 　なかなかない題材の作品で、ストーリーが二転三転し、事件も一筋縄ではいかないところなど、すごく楽しめる作品だと思います。個性的なキャラクターばかり出るドラマになりますが、1週間の中日である水曜日、テンションが下がっている方もいらっしゃると思いますが、この作品が息抜きになってもらえたら嬉しいです。 （おわり） ヘアメイク：佐藤郁江 スタイリスト：椎名倉平