「水が育まれるまでに約20年かかる」サントリーが高校生と挑む水資源保全の未来“ウォーター・ポジティブ”シェアしたくなる発信で次世代につなぐ
〈「ウォーターポジティ部」とは?〉
今回参加した高校生たちが所属する「ウォーターポジティ部」は、2024年4月に発足した。同部は、次世代への水資源の重要性を発信するために設立され、約20名の高校生有志がSNSやイベントを通じて活動している。視覚的に分かりやすい写真や短い文章を駆使し、同世代に親しみやすい形で水資源の問題を訴えるのが特徴だ。 例えば、単に水の問題を紹介するのではなく、紅葉の写真や自然の美しさを切り取った投稿など、若者が「シェアしたくなる」工夫が凝らされている。また、街頭インタビューやイベントでの直接対話を通じて、活動への理解を広げる試みも行われている。12月13日には長野駅近くで行われるクリスマスマーケットでの出展を予定しており、「水が自然に循環するまでに約20年かかる」「水が育まれるまでには様々な生物が作るふかふかの土が必要」といったトピックスを来場者に伝える計画という。
〈サントリーが高校生に託す思い〉
サントリー食品の広報担当者は、このプロジェクトの意図について次のように語る。「高校生が何かをやっているというだけで、“どんなこと?”という興味を引きます。水というジャンルは普段注目されにくいテーマだからこそ、同世代の声を活用する意義があるのです。また、同世代の友人から友人へ、さらには親世代へと話題が広がる効果も期待できます」。 さらに、「私たちは今、自分たちがいなくなった後に何を残すべきかを考える段階にあります。今回の活動が次世代から親世代まで幅広い世代に“水資源”について考えるきっかけになれば嬉しいです」と、未来への思いを語った。
〈長期ビジョンで進む「ウォーター・ポジティブ」〉
サントリー食品は、100年先を見据えた長期的な視点で、使った以上に水を育む「ウォーター・ポジティブ」活動を推進している。同社の調査によれば、若者は水の消費量が多く、水への関心も高い傾向にあるという。 そこで、幼児から小学生やその親世代向けには、「サントリー天然水」工場でスタンプラリーや自由研究イベントを夏休み期間に実施した。今年の来場者は3万人超になったという。 小学生向けには、授業で“水を未来につなごう”プログラムを今年5月から展開。小学4年生の社会科授業「水」の単元をターゲットに、水が限りある資源であることや水資源を未来につなぐための活動を発信している。今年は申し込みが予定より多く、また実施校で好評だったことから、来年は5万人以上に拡張する予定だ。 これらの取り組みにより、2026年までに累計10万人へ水の啓発を目指す。サントリー食品は、次世代を中心に据えた水資源保全の取り組みを多方面で進めることで、未来の環境保全につなげるねらいだ。
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