地震の記憶、風化させまい 白山・小白山神社、破損灯籠を新調
元日の能登半島地震で破損した灯籠が撤去された白山市小川町の小白山(こしらやま)神社に23日、新しい灯籠1対が設置された。地震の記憶を風化させまいと、同町の小川営農組合が記念碑とともに寄進した。住民たちは地震発生から1年もたたずに建立された灯籠を、町の新たなシンボルとして守り続けることを誓った。 ●小川営農組合が寄進 小白山神社の灯籠は1879(明治12)年に建立されたが、長年風雨にさらされて老朽化し、住民から倒壊を心配する声が上がっていた。能登半島地震でひびが入ったことを受け、神社が3月に撤去した。 小川営農組合は8月、蓄財を活用して灯籠を寄進する方針を固めた。当初は灯籠だけの予定だったが、能登の復興と町の繁栄を祈願する記念碑も制作することにした。 新しい灯籠は高さ2メートルを超え、記念碑とともに以前の灯籠と同じ場所に設置された。神社の新嘗祭が営まれた23日、おはらいを受けて住民にお披露目された。 住民は毎日交代で神社に米や水、塩を供えていたが、灯籠が撤去された後、寂しさや物足りなさを感じる住民も多かったという。同町の北村真由美さん(60)は「あるべきものがあるべき場所に戻ってきたようでうれしい」と喜んだ。 組合によると、年内に建立させたかったとし、二(に)元(もと)恒夫組合長(79)は「地震を忘れずに、町の繁栄に向け住民が一致団結するシンボルになってほしい」と願った。