もてなしの舞台整う 23日から高岡茶会 加賀藩の茶道文化伝え 伏木・勝興寺
第29回高岡茶会(富山新聞社、北國新聞社主催、ラジオたかおか後援)は23、24日、高岡市伏木古国府の重要文化財勝興寺で開かれる。22日は、初日に席を設ける古儀茶道藪内流竹風会高岡支部と表千家同門会富山県支部がもてなしの準備を進めた。本堂などの「平成の大修理」が完工し、将来の国宝化への期待も高まる中、古刹(こさつ)で一服を味わい、加賀藩の茶道文化を心ゆくまで満喫する。 【写真】特別華展に向け、生け込みに励む華道家 勝興寺は加賀藩11代藩主の前田治脩(はるなが)が若き日に住職を務めたことで知られる。治脩の援助で建立された本堂で立礼席を設ける表千家同門会富山県支部の間宮倫子幹事の社中は、茶道具を入念に確認した。山水を描いた水指や滝と鯉をあしらった釜を用意した。 寺に現存する最古の建物で、300年以上の歴史を持つ大広間に本席を設けるのは古儀茶道藪内流竹風会高岡支部。奈良時代に勝興寺の場所にあった越中国府に万葉歌人・大伴家持が暮らした歴史に思いをはせ、軸「南山寿長祝(なんざんのじゅながきをいわう)」などを用意する。宮永圭子支部長らが準備を整えた。 24日は大広間で裏千家淡交会高岡支部が本席、本堂で武者小路千家富山官休会が立礼席を担当し、来場者をもてなす。 勝興寺の土山照慎住職は「おいしいお茶に良い景色やねえと、素直に心静かに感じ取っていただければうれしい」と話した。 茶会は23、24日とも午前9時~午後2時半で、当日券の販売はない。 高岡茶会は1994年に始まり、2007年からは加賀藩2代藩主・前田利長の菩提寺である国宝瑞龍寺で開催。大修理が完工した昨年から勝興寺で開かれている。 ●特別華展も開催 勝興寺では23、24日、「平成の大修理」の完工1周年をことほぐ「特別華展」(県いけ花作家協会、富山新聞社主催)も開催される。22日は古流柏葉会、草月流、嵯峨御流、遠州秀月流の4流派が生け込みを行い、書院や台所などの歴史空間を華やかに彩る力作23点が並んだ。