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【30万に1人の難病・魚鱗癬】「母ちゃん頑張るからね」いよいよ母子同室! ゆっくりと歩みはじめた我が子との生活

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 難病「道化師様魚鱗癬」を患う我が子と若き母の悲しみと苦しみ。「ピエロ」と呼ばれる息子の過酷な病気の事実を出産したばかりの母は、どのように向き合ったのか。『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』の著作を綴った「ピエロの母」が医師から病名を宣告された日、母は我が子の「運命」を感謝しながら「これからの親子の人生を豊かなものにしよう」と新たなる決意をした。  今回は、難病の我が子と日常のなかで持続的にくらしていくための訓練、はじめての沐浴(もくよく)のお話です。 この記事の写真はこちら ■母子同室 1回目(沐浴~移動) 待ちに待った母子同室、1回目。 初めて陽(我が子)と、24時間ずっと一緒に過ごせる。 嬉しすぎて、前日の夜、同室中はきっと寝れないだろうからと、いつもより早く布団に入った。 しかし眠れるはずがなく、どんどん目が冴えてきてしまう。 まるで遠足の前のワクワク感、懐かしい感覚。 そして少し寝不足のまま、病院に到着し、GCU(Growing Care Unit:回復治療室)にいる陽のもとへ向かう。 自然といつもより、少し早歩きで向かう。 途中、すれ違う看護師さんに、 「今日から母子同室ですね!」 「陽ちゃんとの時間、楽しんでね~!」 と声を掛けて頂き、さらに気持ちが高鳴る。 こんなに早く、我が子とゆっくりと過ごせる日が来るなんて、嬉しくて嬉しくてたまらない。 「陽、お待たせ」カーテンを開き、すぐに声をかけた。 そして予定通り、まずは沐浴。 母親教室で体験した沐浴とは、まるで違う。 痛がらないかと心配していたが、陽はとても気持ち良さそうにしていた。 「もう痛がることはないですよ~」 「陽ちゃんはお風呂大好きですよ!」 「なるべく、皮膚のためにも清潔にしないとね~」 看護士さんの言葉に、少しホッとし、沐浴の様子を見守る。 今回は看護師さんのやり方を見て覚え、2回目の母子同室では、私がすることとなった。 陽、お風呂の時間が気持ち良くて、 楽しい時間になるよう、 母ちゃん頑張るね。 沐浴を終え、全身にワセリンを塗り、服を着せて、しばらくゆっくりしていると、担当の先生方や看護師さんが陽のもとに集まり、 「時々、様子見に行きますね」 「陽ちゃん、いよいよやねえ~!」 「陽ちゃん、いっぱいお母さんに甘えておいで~!」 と次々に声をかけて下さり、 まだ退院する訳でもないのに、涙が出そうになる。 そして皆に見送られ、小児病棟へ抱っこで移動する。 抱っこしてこんなに歩くのは初めてで、 一歩、また一歩と進むたびに、熱いものが胸に込み上げてくる。 目に溜まる涙をこぼさないよう、上を向きたくても、足下に気を付けて歩くため、下を確認するたびに涙がこぼれ落ちた。 さぁ、今から24時間、 たっぷり親子の時間を楽しもうね。 (『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』より) 【参考資料】 本書をもとにCBCテレビ『チャント』にて「ピエロと呼ばれた息子」 追跡X~道化師様魚鱗癬との闘い(6月26日17時25分より)が放送されました。 https://locipo.jp/creative/41a0b114-7ee7-4f24-976c-e84f30d2b379?list=5a767e90-3ff9-479c-a641-e72e77cf42c3

文・ピエロの母/構成:『BEST TIMES』編集部

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