「納豆」購入額で水戸市が全国5位に転落…一方、2年連続1位は福島市 双方に理由を聞いてみた
水戸市は2位→5位に転落
茨城県水戸市の名産品といえば、「納豆」だろう。 その納豆の1世帯(2人以上の世帯)当たりの年間購入額で、水戸市が、2020年は全国で5位となり、2019年の2位から順位を落としたことが、総務省が公表した家計調査で分かった。 【画像】納豆消費金額の推移 全国の県庁所在地と政令指定都市の52自治体を対象にした調査で、水戸市は1世帯あたり6061円で5位。実は2016年以来、1位から遠ざかっている。 1位は2年連続で福島市(1世帯あたり7251円)、2位は山形市(同6543円)、3位は盛岡市(同6460円)、4位は仙台市(同6228円)だった。 納豆の名産地として知られる水戸市はなぜ5位に転落し、ここ数年、1位から遠ざかっているのか? 一方の福島市は納豆の産地という印象はないが、なぜ2年連続1位となったのか? 全国納豆協同組合連合会の担当者に話を聞いた。
水戸市が5位転落の理由
――水戸市は全国5位。また、ここ数年は1位から遠ざかっている。この理由として考えられることは? 水戸市は納豆のお膝元でもあり、納豆の販売量は相当あります。 したがって、スーパーにある納豆は価格競争にさらされ、他の地方よりも低価格での販売がなされている可能性もあります。また、ここからは個人的な意見ですが、水戸市民の納豆愛は強く、意地のようなものも感じます。 とんかつに納豆をかけて食べるなど、想いが強いため、納豆を華やかに食べがちだと感じています。納豆は“ハレ食”ではないのに、無理やり“ハレ食”に昇華させる。 普段のご飯に普通に取り込むという、無意識の納豆食の他県に負けたのかもしれません。 ――1位~3位は全て東北。東北で納豆が多く食べられているのはなぜ? 雪深くなって、交通や物流が閉ざされてしまう。納豆はそんな越冬のための非常食的なタンパク源であったと考えられています。長く広報業務に携わって、東北地方の納豆の話を聞くと、そのようなことが裏付けられる話もありました。 以下は、三陸の久慈に行った時に聞いた現地の人の話です。 今からおよそ50年前のことです。「明日、海が荒れて天気が悪いという予報が出たので、学校から早く帰らされると、婆さんが家で4~5日分の納豆を作っていた」 海が荒れて漁に出られないということで、お婆さんが家族のために納豆を作ったのでしょう。