インパクトのある「ふすま」で和室変えたい 大阪・製造会社社長の思い
WEB通販で、海外からの注文も受けるように
後継者や人材不足問題も頭の痛いところで、課題は多いという。「おそらくどこもモノを作る職人さんが欲しい。でも、ここ何年かは弊社でも募集をしても人材が集まらない。ふすま業界が変革していかないと人材も集まらないのかなと思っています。古い業界だけど、“新しい取り組みをしている”と発信力のある商品を作って周知を図っていきたい。若い人には新しい商品をどんどん作らせてあげようと考えています」と話す。 また「マンションにしても和室が減っているのは事実。同じ商売をしていると、今後も減るしかない。人材的には、広報やマーケティングの社員が欲しい。大手じゃないから、それは必要ないと思われますが、これからは必要でしょう」と続けた。 同社では3年前、東京営業所を設立。WEBショップも開設し、全国規模でふすま・障子・建具のネット通販も行っている。 「WEB通販は大阪では初めてでしたが、全国的に見ると、他にもある。インターネットの時代ですからね。最初は『通販でふすまを買うか?』って周りに言われました。でも、実際は売れています。うれしいのは、海外から注文があること。日本から送ると送料がかかりますが、それでも、海外にはふすまはないので、アメリカ、フランス、ヨーロッパなどから注文があります」
ふすま業界について、11社が加盟する「関西襖内装事業協同組合」(大阪市中央区)に話を聞くと「最近はマンションも洋室がほとんどで、和室は金額が上がるのでオプションになっています」と話す。 賃貸マンションもオール洋間が主流。ふすまや障子は張替えも必要ですし、高くつくという。しかし、洋間の壁のクロスは洗えるものが登場しており、それと同じく、ふすまもクロスに変えて汚れを拭けるようなものもよく使われているという。組合の関係者は「様々な改革をしていっています。最近はビジネスホテルでもインバウンド向けに和室が造られていますから」と話していた。。 「これからも新しいことを手掛けていきたい」と話す谷元社長だが、業界の改革は常識を壊していくことかもしれない。 (文責/フリーライター・北代靖典)