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静岡県裾野市の運転ボランティアに起きた「Kちゃんロス」

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 裾野市は静岡県東部、正面に宝永火口を見上げる富士山のすそ野に位置する人口5万人の街です。東京2020オリンピック自転車競技ロードレース男子のコースとなっており、最高標高地点1451メートルに向かって過酷な上り坂と雄大な富士山が選手の皆さんを待ち受けます。 この街で、移動に困っている高齢者や障がい者を有料で送り迎えする福祉有償運送サービス「おでかけマチテラス」を私たちが立ち上げて約3年半になります。運営費は個人の寄付と送迎利用料で賄われ、法人も無償で事務管理を支えてきました。運転手は全て市民ボランティアです。 「Kちゃんロス」は、そんな運転ボランティアさんの間で起こりました。

18キロ離れた中学、送り迎えどうする?

 出会った当時のKちゃんは療育手帳を持つ中学1年の男の子。送迎事業の開始を目指して準備を進めていた私たちの元に、最初に飛び込んできた相談がKちゃんの送迎でした。  Kちゃんが住む校区の小中学校には特別支援学級がなく、お母さんが通勤がてら、車で片道18キロ離れた学校に送り迎えしていました。 しかし、日没に合わせて下校時間が早くなる秋以降、迎えが間に合わなくなるという事態になり、相談支援専門員を通じて相談が寄せられたのです。高齢者や障がい者の利用を考えていた私たちにとって、中学生の送迎は想定外のものでした。

「超クレイマーだった」笑って話すお母さん

 「これじゃ、生活できない!」「仕事を辞めろってことですか」 働いていたお母さんにとって、Kちゃんの下校の問題は小学校の頃からずっと悩みの種だったそうです。行政の窓口でいつも怒っていたと振り返ります。 「周りから見たら、ずいぶん無様だったと思います。でも周りなんか何も見えなくて、超クレイマーだと思われていたと思います」 けれど、地域でサポートの輪が繋がり、「解決の道筋が見つかったら本当に穏やかに過ごせて。あんなに毎日どうしようって心を痛めていたのに、こんなに楽になっていいのかなって思いました」と笑います。

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