トヨタ、英国のEV販売義務化は「非常に大きな課題」 bZ4Xだけで乗り切れるか
中国企業との競争
一方、欧州連合(EU)が中国製EVの輸入関税を37.6%にまで引き上げたことについて、中田CEOは支持や批判を避けながらも(英国もEUに呼応する可能性が高いが、現時点では未確定)、当面はこの動きが「わたし達にとって追い風になる」との考えを示した。 しかし、中田CEOは関税が引き金となり、中国企業が欧州の新工場で自動車を生産する動きが活発化すると見ている。例えば、BYDはすでにハンガリーとトルコでの工場建設計画を表明している。 「もしそうなれば、競争に勝つためにベストを尽くすつもりです。これは正常な競争です。他社の価格が当社より低い場合、エンジニアとデザイナーの力を借りて競争力のある製品を生産するでしょう」 「一方で、(トヨタの)豊田章男会長がイノベーション、ドライビングプレジャー、先進技術に注力してきたように、ブランド力を高めるための施策を講じていきます。いくつかアイデアはありますが、まだお話することはできません」 中田CEOは、トヨタが長年培ってきた価値観を維持すると言う。すなわち、すべての人に幸せを、すべての人にモビリティを、誰も取り残すことなく、先見性のあるアプローチをとる、というものだ。 トヨタは1992年に開設した英バーナストン工場で、ハイブリッド車のカローラの生産を続けている。中田CEOは、「これは英国社会に貢献し続けるための重要な要素です。トヨタの経営陣の1人として、わたしはこれを継続させたいと思います」と語った。
スティーブ・クロプリー(執筆) 林汰久也(翻訳)