供述調書でひもとく「積水ハウス事件」の内幕 「生保レディ」が「地面師の女」になるまで
世間一般には、あまり馴染があったわけではない「地面師」という存在。 一躍スポットライトを浴びるようになったのは、大手住宅メーカー「積水ハウス」が地面師に55億円もの大金を騙し取られた事件からではないだろうか。 事件の舞台は「海喜舘(うみきかん)」なる老舗旅館の跡地で、東京・JR五反田駅にほど近い約600坪の一等地。そのいわくつきの土地は地面師が蠢(うごめ)く最中に海喜舘の女将だった海老澤佐妃子さん(享年72)から父親違いの兄弟に相続されていたのだが、2019年5月13日、「旭化成不動産レジデンス」へ所有権移転の仮登記がなされた。 結局、地面師の夢の跡には、マンションが建てられることになるようである。 このほど、独身を通した佐妃子さんから土地を相続した兄弟も警察から事情聴取されており、その一人の供述調書を入手した。 (カネに振り回される人々のドラマを描く「週刊新潮」の連載コラム「MONEY」より)【2019年6月20日号】 ※年齢や肩書などはすべて掲載当時のもの
本文:2,360文字
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「週刊新潮」2019年6月20日号「MONEY」欄掲載