国学院大に力水 ユニホームに「ライフネット生命」 前田監督「1号車に映るように頑張ります」…箱根駅伝で初優勝と3冠へ
第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で初優勝と史上6校目の3冠を目指す国学院大が生命保険会社の「ライフネット生命」とスポンサーシップ契約を結び、国学院大のユニホームに同社のロゴが入ることが6日、分かった。同日、正式発表される。前田康弘監督(46)とエースで主将の平林清澄(4年)はこの日、東京・千代田区の本社を訪問し、森亮介代表取締役社長をはじめ社員から熱烈な激励を受けた。前田監督は「箱根駅伝では日本テレビの1号車にライフネット生命さんのロゴがばっちり映るように頑張ります」と笑顔で話した。 今、大学駅伝界で最も勢いのあるチームが国学院大だ。学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月14日)では最終6区で平林が駒大のエース篠原倖太朗(4年)、青学大のエース太田蒼生(4年)とのアンカー対決を制して優勝。第2戦の全日本大学駅伝(11月3日)ではエース区間の7区で平林が青学大の太田と同タイムの熱戦を演じ、最終8区の上原琉翔(3年)が優勝のゴールテープを切った。箱根駅伝で史上6校目の3冠が3冠がかかる。前田監督は「一戦一勝。3冠を狙うとは言いません。結果的に3冠だった、となれば最高です」と話す。平林も「ここまで二つ勝ちましたが、箱根駅伝を勝たない限り、勝ったとは言えません」と熱く語った。 日本陸連は20年4月に「世界陸連広告規程改定に伴う国内適用について」を発表。国内の大会で各チームはユニホームに所属名(学校はサイズ制限なし、学校以外は高さ5センチ以内)、製造メーカー(40平方センチ以内で高さ5センチ以内)に加え、同一のスポンサー名(40平方センチ以内、高さ5センチ以内)をシャツとパンツにそれぞれひとつずつ表示できることが認められた。また、今年の4月からスポンサー名を二つまで表示できるようになった。 国学院大は20年12月から総合物流サービスを展開する「アサガミ(ASAGAMI)」のロゴをユニホームに掲出。同社は木村知躬(ともみ)代表取締役会長が国学院大の卒業生であることなどの縁で今季も引き続きスポンサーを務めている。 今回、新たなスポンサーとなったライフネット生命は2008年に開業。同社の森社長は「国学院大駅伝チームと当社の共通項は『チャレンジャー』。伝統ある生命保険業界の既存の枠組みにとらわれずに挑戦する当社と箱根駅伝の伝統校に挑む国学院大駅伝チームの姿が重なります。両者の目標達成への推進力となるように本契約を締結しました」と話した。前田監督も「国学院大は大学としては歴史と伝統がありますが、駅伝界ではまだまだ新興勢力です。ライフネット生命さんと一緒に伝統あるチームに挑んでいきます」と力強く答えた。 2月の大阪マラソンで初マラソン日本最高&日本学生新記録の2時間6分18秒の好記録で優勝した平林は来年の東京世界陸上マラソンで日本代表の有力候補。箱根駅伝の後、2~3月の選考レースに出場する。4月から実業団のロジスティードに進むが、3月までは国学院大のユニホームで出場する。「僕はマラソンにも挑戦します。そこでもライフネット生命さんのロゴを大きく出せるように頑張ります」と意気込みを明かした。スポンサーへの責任感を見せる国学院大に対し、森社長は「当社のためというよりも国学院大の皆さんが活躍することを願っております」と期待を込めて話した。 国学院大は11月28日から5日まで沖縄・宮古島で合宿を行い、箱根路制覇に向けて強化は順調に進んでいる。前田監督は一転、表情を引き締めて大一番への思いを語る。「前回は12月に入り、インフルエンザでチームが崩れた。今回はここまで故障者、体調不良者がいません。これからはコンディションが一番、大事になります」。 今季の学生3大駅伝は出雲駅伝、全日本大学駅伝のいずれも国学院大が快勝し、駒大が2位、青学大が3位だった。最終戦の箱根駅伝も「3強」を中心に激しい優勝争いが繰り広げられそうだ。 ◇国学院大 1922年に陸上競技部が創部。98年にスポーツ強化部会制度創設によって硬式野球部、柔道部とともに本格的な強化を開始。箱根駅伝には2001年初出場。最高成績は20年の総合3位。19年の出雲で学生3大駅伝初優勝。24年に2度目の優勝。全日本大学駅伝は24年に初優勝。練習拠点は川崎市と横浜市。タスキの色は赤紫に黒の縁取り。男子長距離部員は選手60人、学生スタッフ14人。主なOBはマラソン日本歴代9位の土方英和(旭化成)、同48位の浦野雄平(富士通)ら。
報知新聞社