【神戸新聞杯展望】今年は中京決戦! 春の実績馬と夏の上がり馬が菊花賞を見据えて激突
[GⅡ神戸新聞杯=2024年9月22日(日曜)3歳、中京競馬場・芝2200メートル、菊花賞トライアル] 阪神競馬場の改修工事に伴い、中京競馬場で行われる神戸新聞杯。2020~22年は京都競馬場の改修工事のため同様にこの条件で実施されており、近5年では4度目となる。魅力ある3歳馬が顔を揃え、GI菊花賞(10月20日=京都芝外3000メートル)の優先出走権(3着以内)を目指す戦いは例年以上に激しくなりそうだ。 絶対的な中心馬は不在ながら、潜在能力の高さをうかがわせるのがウエストナウ(牡・佐々木)だ。経験馬相手のデビュー戦で鮮烈に差し切ると、一足飛びに挑戦したGⅡ京都新聞杯ではハナを切って一旦は2番手に下げながら、再び先頭を奪っての2着。非凡な資質を証明した。わずか2戦のキャリアは魅力と不安が同居するものだが、期待は大きい。 その京都新聞杯を制したのはジューンテイク(牡・武英)だった。GI日本ダービーは10着に敗れたものの、着差は1・0秒。悲観する内容ではなかった。中京は1400、1600メートル戦とはいえ2戦2勝の実績あるコース。豊富なキャリア(10戦)を生かして、2度目の重賞Vに挑む。 GIダービーで無念の出走取り消しとなったメイショウタバル(牡・石橋)は、しっかりと立て直して臨む復帰戦。GⅢ毎日杯の勝ちっぷりが見事だった一方、GI皐月賞ではオーバーペースで17着に大敗するなど、ゴールドシップ産駒らしい荒々しさがある。父はこのレースと菊花賞を連勝しており、その道に続くことができるか。 重賞ウイナーでは、GⅢきさらぎ賞を制したビザンチンドリーム(牡・坂口)もエントリー。こちらも春は追い込み一辺倒の脚質で、2冠は流れが向かず13→17着と大敗したが、ツボにハマったときの破壊力は侮れない。 青葉賞2着のショウナンラプンタ(牡・高野)はダービーこそ15着に大敗したものの、スタミナ豊富で長丁場が適している。GⅡ、GⅠで計4戦という強敵相手のキャリアは胸を張れるものだ。 上がり馬で注目されるのはメリオーレム(牡・友道)だろう。春の時点でもプリンシパルS2着と素質を見せていたが、ひと息入れて臨んだ前走の2勝クラス特別戦が圧巻。2600メートル戦で横綱相撲の4馬身差Vは、今回に限らず本番をも意識させる内容だった。賞金的に本番が安泰という立場ではなく、ここは権利獲得が至上命題となる。 同じ友道厩舎からはオールセインツ(牡)も登録してきた。GⅡ京都新聞杯では13着と大敗を喫したものの、その後は1、2勝クラスを連勝。勝った3戦はいずれもメンバー最速の末脚を発揮しており、決め手比べになれば台頭してきそうだ。 京都新聞杯3着の後、ひと息入れて臨んだ札幌の特別戦を快勝したヴェローチェエラ(牡・須貝)、4か月ぶりでも武豊とのコンビ継続が魅力のサブマリーナ(牡・庄野)、リステッド・若葉S勝ちの実績が光るミスタージーティー(牡・矢作)、ここに来て未勝利→1勝クラスを連勝と勢いに乗るヤマニンステラータ(牡・松永幹)、東京1勝クラスの勝ち方が目立ったヴィレム(牡・藤原)など登録馬はいずれも素質馬揃い。目が離せない菊花賞トライアルとなる。
東スポ競馬編集部