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「悲しい動物」の正体は? 県内外で目撃相次ぐ

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北日本新聞

 悲しい写真が撮れましたー。読者と記者がつくる北日本新聞の双方向型調査報道「あなたの知りたいっ!特報班(知りとく)」に、こんな文面で始まるメールが寄せられた。メールに添付された写真ファイルを開くと、顔面がひどくただれた動物がこちらを見ていた。目の周りの腫れが痛々しい。背中や尾の毛は抜け、やせこけている。イヌなのか、それともキツネなのか。一体何があったのか。(高松剛) ■魚津の山あいで衰弱した姿  「あなたの知りたいっ!特報班(知りとく)」に寄せられたメールの主は、魚津市の長田(おさだ)雅美さん(58)。6月初め、車を運転している時に市内の山あいの田んぼで、あの動物を見つけ写真に収めたという。文面は続く。「皮膚病のタヌキです。ダニが寄生して起きる『皮膚疥癬(かいせん)』という病気だと思います。自然界にこんな病気があることを知ってほしい」  早速、長田さんに連絡を取り、数日後、タヌキがいた現場を案内してもらった。すぐ背後に山が迫った田んぼ沿いの茂みだ。長田さんは「野生動物は人を見るとすぐ逃げるはずだが、“あの子”は動かなかった。それほど弱っていたのでしょう」と説明してくれた。

 疥癬はダニの一種「ヒゼンダニ」が皮膚に寄生して起こる。猛烈なかゆみで餌を採ることもままならず、放置すると衰弱して死ぬ。毛が抜けているのは激しくかきむしった跡だ。実は長田さんは獣医。その長田さんが心配顔で言う。「魚津で30年近くいろんな動物を見てきたが、疥癬のタヌキは初めて。魚津の山に広がっていないといいのだが」 ■タヌキのダニ、ペットにも感染  「疥癬タヌキ」の情報を求めて魚津市や新川森林組合に聞いたが、目撃情報はなかった。対象範囲を広げて立山カルデラ砂防博物館(立山町)に問い合わせると、意外な答えが返ってきた。「県東部や富山市では20年ほど前から目撃情報があります」。野生動物に詳しい白石俊明学芸員(44)によると、車にはねられたり、捕獲されたりしたタヌキの中には疥癬の個体が交じっており、近年は増加傾向にあるという。  取材を進めると、県自然博物園ねいの里(富山市婦中町)では今春、疥癬になったとみられる毛のないタヌキが数頭目撃されていたことも分かった。

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