資産運用は「年間30分」で十分なワケ
あらゆる情報が蔓延している今、結局どのように投資するのがいちばんお得なのだろうか。資産運用において「100点満点」は難しくても、「99点をとる方法」であれば誰でも実践できると述べるのが、通算300万PVを達成した人気記事の書き手Hayato Ito氏だ。1年に30分で完結、最高のリターンを得られる資産運用の方法とは。本稿は、Hayato Ito著 『普通の人が資産運用で99点をとる方法とその考え方』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 99点の資産運用の ために必要なこと 資産運用で必要なことは、以下のことだけです。これだけで投資効率(シャープレシオ)(*1)が99点になります。 *1 投資効率(シャープレシオ)とは、異なる投資対象を比較する際に、同じリスク水準においてどちらのリターンが優れているかを評価する指標。リターン÷リスクで求められる。筆者は、個々の投資商品に対してのみでなく、個人の資産の全体に対しても投資効率を用いて評価します。 (1)iDeCo(または企業型DC)を始めます。 (2)NISAで積立の設定をします。 (3)さらに余裕がある方は、特定口座で積立の設定をします。 (4)資産運用を始めた直後や、まとまった資金を一時的に受け取ったときなど、十分な余剰資金(現金)を持っているのであれば、自分のリスク許容度の範囲内で、適切な割合の資産を一括で投資します。 (5)定期的に(年に1回、あるいは数年に1回)、資産配分について見直しましょう。 (1)、(2)、(3)は一度設定するだけです。(4)は資産運用を始めるとき、あるいは、まとまった資金を贈与されたときなど一時的に行うものです。 この方針をちゃんと守っていれば、資産運用にかかる時間は、1年に30分ほどのはずです。 (1)、(2)、(3)、(4)について、購入するべきものはすべて同じものでかまいません。以下の条件を満たすものにしましょう。 ●手数料や信託報酬などのコストが安いもの ●時価総額加重平均(*2)を採用したインデックスファンド(S&P500、全米、全世界株式など) *2 時価総額加重平均とは、構成銘柄の株価の単純な平均ではなく、時価総額(現在の株価×発行株式数で表す、その企業の現時点での規模や価値の指標)に応じて重みを変化させた平均のこと。市場の実態をより正確に表現できるといわれていて、多くのインデックスファンドで採用されています。