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「多拠点生活時代」到来か コロナで進む「名より実」の住宅選び

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってリモートワークが広がり、住むという概念が一変した。全国を転々としながら暮らす「多拠点生活」という生き方が夢物語ではなく、現実味を帯びてきたのだ。一方、既存の住宅地では選別が始まる。本当に暮らしやすいかどうかを求め、しなやかに住み替える時代が訪れるかもしれない。 【関連画像】withコロナ時代は、家を含む最寄り駅周辺を行動範囲とし、この範囲内でなるべく生活を完結させようと考える。飲食店もBよりAを選ぶ回数が増える?(井出氏への取材を基に編集部で作成)  コロナ禍でも会員数が急増しているサービスがある。月額4万円(税別)で全国住み放題をうたう「ADDress(アドレス)」だ(関連記事「月4万円で多拠点住み放題に1100人超が応募 空き家問題に挑む」)。  敷金、礼金、保証金などの初期費用は必要なく、光熱費やインターネット通信費も会員料金に含まれている。しかも、同伴者1人まで無料。短期間で住み替えしながら日本中を巡るという夢のライフスタイルを形にした。  会員数は2020年1月からの半年間で3倍に急伸。特に県をまたいだ移動が解禁された20年6月は、単月として過去最多の入会者数を記録した。追い風になったのが、リモートワークの浸透だ。これまでADDressの会員は、時間に余裕がある起業家や個人事業主が中心だった。しかし新型コロナにより多くの企業が在宅勤務を導入。一般社員でも出社せずに働くという選択肢が認められ、「環境を変えてみたい」と申し込みが殺到しているのだという。  運営企業であるアドレス(東京・千代田)取締役の桜井里子氏によると、「コロナ後、20代、30代の会社員がどんどん増えている」。ADDressは全国に約60の「家」があり、会員なら1個室につき連続7日間まで、自由に選んで予約できる(空室があれば最長14日間滞在可能)。高速回線を完備しているため、リモートワークはお手の物。オフィスでも自宅でもない「サードプレイス」として脚光を浴びているのだ。  20年6月にはホテルや旅館の一室を1カ月単位で借り、専用個室として利用できるプランを始めた。最安は北海道小樽市のホテルで月額6万円(税別)。東京都心の一等地にある「変なホテル東京 赤坂」も月額11万5000円(同)で借りられる。インバウンド需要が消滅し、利用客が激減した宿泊施設と、拠点数を増やしたいADDress。両者の思惑が一致した形だ。  ADDressには基本的に同じ間取りの物件はなく、古民家からホテル、元民宿まで選択肢は広い。「商店街の一角といったにぎやかな場所にあったり、自然豊かな温泉付きの別荘地だったりと、物件ごとに個性があるのが最大の魅力だと思っている」(桜井氏)。 ●「ステータスより住みやすさ」の時代  今後、住宅マーケットの中心に入ってくるのは、平成生まれの若い世代である。平成元年生まれも、はや30歳を超えた。何十年と住宅マーケットを分析してきた東京カンテイ(東京・目黒)市場調査部上席主任研究員の井出武氏は「我々の世代の家選びとは、明らかに価値観が変わった」とみる。

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