Appleのゴーグル型デバイス「Apple Vision Pro」を使ってみた!
今年の2月からアメリカ限定で先行発売が始まっていたAppleのゴーグル型デバイス「Apple Vision Pro(以下、AVP)」。先月末から、日本でも販売が始まりました。 【写真】Appleのゴーグル型デバイス「Apple Vision Pro」を詳しく見る
初体験で感じた未来へのワクワク感
ゴーグル型のデバイスはこれまでも色々試してきましたが、正直なところAVPにはあまり興味が湧いていませんでした。ところが、実機を体験する機会を得たところ、案の定、魅了されてしまい……(笑)。なぜかというと、約20年前にiPhoneが登場し初めて触ったときに感じた「今すぐ必需品にはならないだろうけど、近い未来これが“普通”になっていったりして……!」と、まだ見ぬ未来へのワクワク感を久しぶりに感じたんですよね。
現実世界にレイヤーを増やす、空間コンピューティング
初めて使ったときにびっくりしたのが、眼の前の景色がほぼそのまま見えるので、閉鎖感を全く感じなかったことです。そして、見慣れたアイコンたちが眼の前に浮かんでいる……。 これまでのゴーグル型のデバイスが、どちらかというとメタバースのような、VR上に作られた“別の世界”に没入することに重きを置いているのと比べると、AVPは今見えている眼の前の現実世界の空間に“情報のレイヤーを一枚増やす”ような設計がなされています。AppleはAVPを通した体験を「空間コンピューティング」と呼んでいますが、映像コンテンツを見たり、Macで仕事をしたり、友人とビデオ通話をしたりといった、これまで画面を通して行っていたことが、空間でできるようになる、そんな感覚。
視線と手だけで操作
操作はコントローラー要らず。視線がマウスのカーソルのような「選択」の役割を果たし、それに加えて、自分の人差し指と親指を合わせて、タップしたり、動かしたりすることで、一通りの操作ができるようになっています。細かい作業には向いていませんが、慣れればストレスなくスムーズに操作することができます。 また、セキュリティ面では、iPhoneにおけるFace IDの代わりに目の虹彩情報を使った「Optic ID」が搭載されており、持ち主がただ見つめるだけでロックが解除されます。 また、普段からiCloudキーチェーンのパスワード管理機能を活用していれば、各種サービスへのログインもスムーズ。 周囲の環境をどのくらい見えるようにするのかは、本体右上に付いているデジタルクラウンを回すことでコントロールすることができるようになっています。完全に周囲が見えない状態にすれば、AVPの世界に浸れます。 デフォルトで用意されている環境背景はどれも美しくて、疲れたときにはただその環境に浸って休憩する、なんてのもアリです。私はMacの画面をミラーリングして作業に集中したいとき、自分の視界の範囲だけを環境で覆い、斜め後ろを見れば周囲の状況を確認できるようにして使うのが気に入っています。