「茶番と言える結果」UFC王者の反則膝蹴りによる“王座失墜”に海外波紋!「陣営に大きな過ちが…」
後味の悪い幕切れに…
魅力ある好戦だっただけに、消化不良な幕切れとなった。 現地時間3月6日、アメリカ最大の総合格闘技団体『UFC』は、ラスベガスで「UFC259」を開催。メインカードでは、バンタム級王座を懸けて現チャンプのピョートル・ヤン(ロシア)が、挑戦者のアルジャメイン・スターリング(米国)と対戦し、前者が4回途中に反則攻撃により失格という後味の悪い王座移動となってしまった。 【動画】波紋を広げる驚愕の膝蹴り…ヤンがスターリングに浴びせた反則行為はこちらでチェック 4回も残り30秒を切った時だった。膝をつき、しゃがんでいた相手に対して、ヤンは思い切り右膝を炸裂。これにスターリングも思わず顔を抑えてうつぶせにうずくまり、試合続行は不可能に。これが3点ポジションからの膝攻撃という反則行為に該当したため、ヤンは反則負けとなったのだ。 中盤から確実に打撃を加え、巧者ぶりを見せていたヤンには、ジャッジの3人中2人が支持してもいた。それだけに19勝3敗で同階級ランキング1位のスターリングとの真価の問われた一戦を制する絶好機を逸した形と言えるだろう。 王者の反則負けは海外でも小さくない反響を呼んでいる。米放送局『ESPN』は、ヤンが直前に自陣営に「蹴ってもいいの?」と確認し、これにコーナーサイドの一人がロシア語で「いけ! いけ」と後押ししたことを報道。「ヤンの陣営に大きな過ちがあった」と選手本人に反則膝蹴りの認識がなかった可能性を指摘している。 さらに『EUROSPORT』のロシア版はヤンが自身のツイッターで「彼の迅速な回復を願う。故意に攻撃を浴びせるつもりはなかった。大きな過ちを犯し、俺はその対価を払った」と謝罪を綴ったことを紹介したうえで、「一体なぜ禁じられた攻撃をしたのか。茶番とも言える結果だ」と“元王者”を糾弾した。 思わぬ攻撃を浴びたスターリングは試合後のフラッシュインタビューで、不本意な形での王座獲得に「こんな結果は望んでなかった」と不満を漏らした。 「今は心が潰れそうな思いだよ。歴史に残るバンタム級タイトルマッチになるはずだったのに……。本当に申し訳なく思う。彼とは健全な競争をしてきたから、僕らはまた戦わないといけない」 痛恨の失格負けを喫したヤンは再び王座に返り咲くことはできるだろうか。 構成●THE DIGEST編集部