<塩野瑛久&井浦新>“できそう!”と思われる悩み 「光る君へ」に続いての再共演 「無能の鷹」インタビュー
塩野さん:自分が新さんの立場だったら、その“お節介”ができるのかなって。できる人の方が素晴らしいと思っちゃいます。
井浦さん:ありがとうございます。でも前回の共演では、ずっと御簾(みす)越しで、目を合わせての芝居がなかったんです。言葉だけのキャッチボールでやってきたのですが、(今作では)「塩野君はこんな表情でこの役を仕上げてきたんだ」「このセリフを言っているときこんな目をするんだ」とか感じられてめちゃくちゃ新鮮でした! やっと、目を見てできるお芝居のキャッチボールが楽しいです。
--今作のそれぞれの役について教えてください。
塩野さん:鶸田はひ弱な雰囲気を持っていて、緊張したり注目されたり何かストレスを感じたりすると、おなかが痛くなるキャラクター。そして、家に帰ってSNSをいじりながらなぜかコロッケを揚げはじめます(笑)。弱い心を持ちつつも、そのぶつけどころも一応持ち合わせていて、等身大で見てもらえる役かなと思っています。作品の“ストーリーテラー”のような立ち位置でやらせていただいています。
井浦さん:鳩山さんは、鳩が平和の象徴であるように、大地に根を生やしどっしりと構えた樹のように、マッコリのようにやさし~くほろ酔いになれるような……そんな男でございます。あざとさが一切ないナチュラルな優しさを持つ人なのですが、その優しさの先に何があるのか、終わる頃につかめたらと思っています。
--鶸田は緊張で腹痛を起こしますが、塩野さんは緊張したときはどのように対処されていますか。
塩野さん:「これは緊張じゃない、楽しんでいるんだ」「ワクワクしているんだ」みたいな感覚を持つことですかね。後はイメージの問題ですが、緊張すると意識が胸の方にフッとなって、この辺(胸と腹の間あたり)がムズムズする感覚になります。それを一生懸命、下の方に降ろすという。地に足がついていることを、しっかり認識することを意識しています。