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自然と美しく調和する、イネス・ド・ラ・フレサンジュの南仏の邸宅を拝見

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ハーパーズ バザー・オンライン

ラベンダーとオリーブの木々が包み込むように生い茂る敷地に、ゆったりとたたずむ白壁の家。南フランスならではの照りつける太陽によって、水色にペイントされた窓までもが浮かび上がる。 ここは中世からの歴史が残る街、タラスコン。地中海にもほど近い土地柄、初夏には気温が40度を超えることもあるという。家の軒先には大きなテーブルがあり、テラスのようなスペースには心地いい風が舞い込む。 【写真】模様替えの参考に!おしゃれなインテリアのヒントが見つかる映画14選

室内に目を向ければ、ぬくもりがあってコージーなムード。この家の持ち主であるイネス・ド・ ラ・フレサンジュ(Ines de la Fressange)のトレードマークともいうべき気さな 笑顔と同じ、親しみいっぱいの空気が漂っている。 80年代から今日に至るまで、イネスといえば生粋のパリジェンヌとして知られる存在で あり、そしてパリシックを体現す る第一人者。そんな彼女が自然に 寄り添うこの地方に魅了されてから、30年以上の時がたつ。

「今はそうね、休暇を過ごす目的で来ることがほとんど。ここでテニスやゴルフをしたり、乗馬を楽しんだり。あとは私たち家族はフランス人だから、よく食べてよく寝て、そして読書をして過ごすこともある。ここは何もしないで過ごす幸せを理解する人のための場所なのよ。ただただテラスに座って過ごすのだって、とても贅沢。それに私は、この地方の陽射しが大好き。家の中に注ぎ込む光に、思わず見とれてしまうことだってあるわ。プロヴァンスの光は素晴らしいものよ。この光こそ、セザンヌやゴッホ、ピカソといった画家たちがこの地方を愛した理由だと思う」

いくつもの部屋があるこの家は、8世紀に僧侶のための静養所として建てられたという。壁は白く塗られ、窓にはパリッと張りのあるリネンのカーテン。一見するとカジュアルだけど、色どりのバランスや家具の配置にはセンスが光る。それはまさに、彼女のファッションにも通じるエフォートレスなエレガンスそのもの。 「服のコレクションを作る時のように、部屋作りにもムードボードを作るのよ。いつもひとつのストーリーからイメージを広げていくのだけれど、それはまるで一体のコーディネートを考えるような作業ね。私はノルマンディの別荘とパリに2軒の家を所有しているけれど、どの家もまったく違うインテリアにしているの。ここはといえば、特別なものは何もない。本当に。近所のフリーマーケットからやってきたものや、モロッコやチュニジア、インドといった旅先で見つけたものばかりなのよ。だけど、その気取らなさがいいところだと思ってる。家族や友人とリラックスして過ごすことができて、犬たちも自由気ままに振る舞えるような家が理想だったから。誰がいつ訪れても雰囲気が変わらないと感じられて、やってくるのも自由、帰って行くのも自由…ここはそういう家。過去にはセレブリティと呼ばれる知人がパリから遊びに来たこともあるけれど、肩書や地位なんか忘れて、家族の一員のように滞在を楽しんで帰ったわ」 そう教えてくれた彼女の笑顔に、光と風に包まれて過ごすシンプルライフの喜びが溢れていた。

From Harper's BAZAAR June 2020

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