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日立、新会社「ハピネスプラネット」設立へ--幸福度の計測技術を事業化

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ZDNet Japan

 日立製作所(日立)は6月29日、新会社「ハピネスプラネット」を7月20日付けに設立すると発表した。新会社では、日立が開発してきた幸福度計測技術を事業化し、ウィズ/アフターコロナ時代の企業マネジメントなどに活用するという。  ハピネスプラネットは、日立の中央研究所「協創の森」に拠点を置く。日立のフェローで未来投資本部 ハピネスプロジェクトリーダーを務める矢野和男氏が代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任し、従業員数はスタート時で10人程度だという。また同社は、電通と大塚商会と協業。電通が「ハピネス」という概念を国内外に発信し、大塚商会は自社のネットワークを生かして中小企業の活性化を目指していく。  矢野氏は、同日開催されたオンライン説明会で「われわれは過去15年にわたり、人間の幸福度を計測して科学的に改善する研究に取り組んできた。そしてこの活動を事業としてより成長させるため、ハピネスプラネットの設立に至った。特にウィズ/アフターコロナ時代では、企業におけるマネジメントや働き方を変えていく必要がある。こうした状況の中、われわれがやってきたことは一層役立つのではないかと考えている」と語った。  物質的な豊かさが不十分だった時代は、足りないものを供給することがビジネスになったが、現在は「生き生きと仕事ができる」といった心の豊かさが求められているという。そのためハピネスプラネットでは、こうした社会に向けて新しい事業を作っていくとしている。  過去20年間における学術・技術研究の成果によると、幸せな人・組織は生産性や創造性が高いと日立は説明する。そして幸せの要因は特定することができ、訓練や施策で高めることが可能だという。  矢野氏は「“何をもって幸せか”は人によって違い、文化や時代、国によっても異なるため、数値化はできないのではないかという意見がある。幸せを定義することはできないが、幸せを感じた時の体の反応は共通しており、中でも筋肉の動きは体の外からでも認識することができる」と説明した。そして日立は、スマートフォンやウェアラブル端末に搭載した加速度センサーで体の動きを計れることに着目。同氏は2006年から14年以上、最初の実験台として、自身の幸福度を計測してきたという。  これらのデータを基に日立は、無意識の身体運動から幸福度を計測するスマートフォンアプリケーション「Happiness Planet」を開発。同アプリケーションには、AI(人工知能)が「今日はこんなことに注意を向けるのはどうか」といったレコメンド機能や、チーム内で「プチ報・連・相」を行う機能もある。  同社は2018年頃から83社、約4300人に対し、Happiness Planetの実証実験「働き方フェス」を実施。1回当たりの期間は約3週間で、これまでに4回実施したという。その結果、持続的な幸せを得られる能力を表す尺度「心の資本」が3週間で約33%向上し、これは10%の営業利益向上に相当するという。  ハピネスプラネットでは、企業のマネジメント支援などを行うほか、計測した幸福度をさまざまな場面で活用して、「ハピネスウエルビーイング産業」を生み出していくとしている。  矢野氏は「現在10億人以上がスマートフォンを持っており、アプリケーションをダウンロードするだけで、この動きに参加することができる。今後は、“幸せを生んでいるかどうか”があらゆることの物差しとなり、就職や取引、サービス導入時にも考慮されるようになるのではないか。一方、サービスを提供する側は、従業員の幸福度改善に努めていく必要があるはずだ」と語っていた。

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