〈うつ病〉「頭痛」「目のかすみ」「眼精疲労」「腰痛」「肩こり」も危険信号。抑うつ気分など、5つ以上の症状が2週間以上続くと診断される
いつもと違う、どこか調子がよくない…と思っても、かかりつけ医のいない人はなかなか気軽に聞けないもの。小さな不調に大きな病気が隠れていることもあるので、油断は禁物です。また、人に打ち明けられない悩みも、医療の進歩で治療法が開発されていることがあります。自分や大切な家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第1回は、「うつ病」です。(取材・文/松井宏夫〈医学ジャーナリスト〉) 【図】脳で情報が伝達されるしくみ * * * * * * * 目次 ● 症状 5つ以上の症状が2週間以上続く ● 原因 脳内のメカニズムの障害で起こる ● 治療 投薬は慎重に。多剤併用を避ける ● 予防 規則正しい生活習慣でうつ病を寄せつけない ◆〈症状〉5つ以上の症状が2週間以上続く 《うつ病は心の風邪》といわれ、今日では7人に1人が一生に一度はうつ病になる、とまでいわれています。もちろん、うつ病患者全員が同じ症状を呈するわけではありません。「気分が落ちこんで何もする気になれない」と感じることは日常ではけっして珍しくなく、これは単なる「うつ気分」であって「うつ病」ではないのです。うつ病と診断がつくには診断基準を満たしている必要があります。下の9つの抑うつ状態のうち、5つ以上の症状が2週間以上続いていると、うつ病と診断されます。 ところが、実際にはそのような精神症状だけではありません。さまざまな身体症状が表れるのも特徴で、それらが前面に出てくるケースも少なくありません。身体症状として患者さんの訴えが多いのは「頭痛」「睡眠障害」「食欲不振」「目のかすみ」「眼精疲労」「腰痛」「肩こり」など。この場合、患者さんは内科や眼科、整形外科を受診するので、そこから精神科に紹介されることになります。 ●うつ病のさまざまな症状9つのうち、5つ以上が2週間以上続くと「うつ病」と診断される □抑うつ気分 □興味・喜びの減退 □食欲の減退または増加 □睡眠障害 □精神運動性の障害 □気力の減退 □無価値観、罪責感 □思考力・集中力の減退 □自殺願望
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