ファミリー路線のトラッドサニーに追加されたFFスポーツモデル|1989年式 日産サニー RZ-1 ツインカムNISMO Vol.1
1989年式 日産サニー RZ-1 ツインカムNISMO Vol.1 FFとしては2代目になるB12系サニーが発売されたのは1985年9月。 「トラッドサニー」と呼ばれ、クリーンなスタイル多くのユーザーから支持され販売も好調に推移した。FFとしての完成度を高めていたサニーに、久方ぶりにクーペモデルが追加設定されたのが、1986年2月のRZ‐1だ。 バケット形状のシートが採用されたインテリアや、希少なオプションのリアデフレクター、専用装備のデカールなど【写真7枚】 搭載エンジンは1.5LSOHCのE15Sと、ターボ過給したE15ET型。 E型エンジンは、長く日産の小型車用エンジンとして採用されてきたOHVのA型の後継ともいえるユニット。 受け持ち範囲は1.5Lまでで、1981年発売のバイオレットリベルタ/スタンザ/オースターからは、日産の新世代4気筒としてCA型を搭載していた。 このRZ‐1を含めたB12系サニーたちへ1986年8月、日産初のFF用DOHCエンジンとなるCA16DE型が追加された。 そして、CA16DE型を搭載するRZ-1は、「ツインカムNISMO」を名乗ることとなるのだ。 撮影車両は、ボディを純正色で全塗装し、きれいな状態に仕上げられた一台で、随所にオーナーのこだわりが込められていた。フェンダーに貼られている、ツインカムNISMO専用のデカールなどは欠品のため全塗装時にオーナーがレプリカを製作した。 80年代車に特徴的な、ボディ左右の幅広ウレタンモールの下に張られているデカールも、やはりオーナー製作のレプリカ品だ。「TWINCAM」の文字とともに、エンジンスペックが記載されるというのが、いかにも80年代的で泣かせる。 きれいな状態が保たれたインテリアは、基本的にノーマル。フロントシートは本格的なバケット形状が採用されているが、ツインカムNISMOはTYPE Aをベースとしているため調整ができない。他のグレードでは各部が調整できるマルチアジャスタブルシートが採用されているので、ちょっと惜しい。前期型では表皮にNISMOと刺繍された柄を採用していたが、後期型では刺繍のない柄へと変更された。 後席スペースはミニマム。車検証上では4人乗りだが、フル乗車した場合、リアシートでは足の置き場に問題はないが、肩を触れ合いながらの乗車になってしまうだろう。キレイな状態で敷かれている室内のフロアマットは、オーナーが十数年前に乗っていた初めての愛車から引き継いだものだ。 リアウインドーに取り付けられているのは当時ディーラーオプションだったリアデフレクターや、クオーターウインドーの内側に装着されているディーラーオプションのサイドクオーターシェイドも希少品だ。 次回「1989年式 日産サニー RZ-1 ツインカムNISMO Vol.2」に続く
Nosweb 編集部