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「リアル・アオアシ」J下部発展の鍵とは? 森岡隆三が語る“Jユースvs高体連”の意義と課題

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REAL SPORTS

高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグが創設されて今年で10年目を迎える。東西に分かれて行う2種(高校生)年代最高峰のリーグ戦文化の成熟が、高校、Jリーグの育成組織、タウンクラブが切磋琢磨する環境を作り出したといえる。プレミアリーグはどのような歩みに進め、今後はどのように発展をしていくべきなのか。現場に立つ人たちはどう感じているのか。現在、清水エスパルスでアカデミー・ヘッドオブコーチングを務め、自身も京都サンガF.C.U-18の指揮官としてプレミアリーグを経験した元日本代表の森岡隆三に話を伺った。 (インタビュー・構成=松尾祐希、写真=Getty Images)

違った環境で育っている選手同士の真っ向勝負

今から29年前、神奈川県の桐蔭学園高校に入学し、高校サッカーを経験した森岡隆三。卒業後は鹿島アントラーズを経て、清水エスパルスで才能が花開き、2002年のFIFAワールドカップ・日韓大会にも出場。日本を代表する名DFは引退後に指導者となり、さまざまな場で経験を積んできた。2015年と2016年に京都サンガF.C.のU-18で監督を務め、翌年からはJ3・ガイナーレ鳥取を指揮。そして、2019年1月から古巣の清水でアカデミーヘッドオブコーチングとして、育成年代の強化に携わっている。現役時代の豊富な経験と、さまざまなカテゴリーで指揮を執った指導者としての視点。多くの観点を持つ森岡はどのような考えを持ち、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグが進むべき道はどう思案しているのだろうか。 ――プレミアリーグが創設されて10年が立ちます。育成年代の変化はどのように感じられていますか? 森岡:Jリーグの開幕当初、自分は桐蔭学園高校でプレーしていました。当時は当然のことながらJリーグのアカデミーが立ち上がったばかりの時代だったんです。しっかりとしたアカデミーはヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)と横浜マリノス(現・横浜F・マリノス)ぐらいしかなく、特にヴェルディは強かったのを覚えています。クラブの中で唯一といっていいぐらい高体連(全国高等学校体育連盟)の強豪チームと対抗できるチームでした。そういう時代からJリーグの発展とともにアカデミーも組織としてかなり成熟し、それに伴ってJ ユース出身の選手が日本代表や海外に行くケースが増えたと感じています。  ただ、プレミアリーグが発足してから数年は、プロになる選手がいても日本代表にJのアカデミーから入れない状況が続いていました。「ワールドカップのメンバーにJのアカデミー育ちが少ない」。そう言われていた時代がありました。ただ、ここ数大会で様相が変わってきました。各アカデミーが成熟し、ワールドカップのメンバーに入る選手が増えましたよね。その理由の一つに、プレミアリーグの発展が大きな要因にあると思います。 ――プレミアリーグが創設され、最も変化した部分はどこでしょうか? 森岡:切磋琢磨する相手が増えた点です。JユースはJのアカデミー内で戦うだけではなく、高体連のチームとも戦う機会が増えました。特にJユースと高体連は組織として特徴が異なり、高校のチームはいわゆる大人数で(各地域内で)一強を誇っているところも少なくありません。青森山田高校や東福岡高校はまさにそうですよね。1学年100人前後が在籍する競争からどう出てくるか。少人数でやっているアカデミーとは違う環境ですよね。逆にアカデミーは少人数の中で競い合い、少人数ならではの厳しさもあります。違った環境で育っている選手同士が真っ向から戦えたのはよかったですし、お互いが真剣勝負を肌で感じ取れるのは大きな意味がありました。

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