【エリザベス女王杯】ラッキーライラック連覇に黄信号 阪神開催が“アンラッキー”な理由は?
楽しみなジャパンカップ
ジャパンカップで無敗の三冠馬同士の決戦が実現するようだ。コントレイル陣営が参戦を表明した翌日にスポーツ紙が一面を飾るなど、競馬サークルはコロナ禍のうっぷんを晴らすかのようなの賑わいを見せている。 【エリザベス女王杯 2020予想】京大式!ノームコア消しの理由は?本命は激穴馬! 一方、11月15日(日)に行われるGIエリザベス女王杯。天皇賞(秋)を制したアーモンドアイの名はなく、三冠牝馬デアリングタクトはジャパンカップへ。真の女王決定戦といえないのは残念だが、それでも昨年の優勝馬ラッキーライラックをはじめ、GI戦線で活躍した馬が多数参戦。馬券的には面白いレースとなるはずだ。
意外に差がない、直線の長さ
京都競馬場が長いリニューアル工事に入ったため、しばらくお休み。これにより、従来の京都開催を阪神や中京に振り分けて行われることが発表されている。今年、その影響を受けるGIはエリザベス女王杯とマイルCSの2つ。エリザベス女王杯は京都外回り2200m→阪神内回り2200m、マイルCSは京都外回り1600m→阪神外回り1600mに変更。 どちらの影響が大きいかと言われれば、エリザベス女王杯の方か。坂の上り、下りはもちろんだが、外回りから内回りに変わるので直線の長さが全然違う…そう思っていたのだが、調べてみると京都の直線398.7m(昨年の施行条件=外回り2200m、Bコース)に対して阪神は356.5m(今年の施行条件=内回り2200m、Aコース)。約40mの差であった。100m近く違うと勝手に決めつけていたが、思い込みとは恐ろしいものである。 とはいえ、コースをはじめ例年と様相が違うのは間違いない。果たして阪神芝2200mを得意としている種牡馬はどれか、逆に京都2200mを得意として、阪神2200mは苦手という種牡馬はいるのか。今回も2010年以降のデータを参考にして検証してみた。 従来の京都芝2200mで最も勝利数が多いのは、やはりディープインパクト産駒。30勝は断トツで、2位ハーツクライに3倍の差をつけている。勝率は14%、連対率も25%を超える優秀なもの。果たしてこれが阪神芝2200mだとどうなるか。 阪神の方がレース数が少ないので19勝と数は減るが、勝率(13.7%)、連対率(23%)と大きな落ち込みはない。今回出走予定の種牡馬だと、ハーツクライやスクリーンヒーローが、競馬場が変わっても成績に大きな差が出なかった。 京都2200mで好成績を挙げ、阪神2200mで落ち込むのはルーラーシップ、ハービンジャー、オルフェーヴル。ルーラーシップは勝率が京都18.4%→阪神6.9%まで下がる。ただし連対率は優秀で、京都、阪神ともに最上位。大きく評価を下げる必要はなさそう。 問題は残る2頭。ハービンジャー産駒は京都で9勝、勝率10.1%に対して、阪神0勝、勝率はもちろん0%。ハービンジャー産駒は内回りが得意という印象が強いだけに、これは意外な結果。オルフェーヴル産駒もステイゴールド系だから内回りの方が好成績と思いきや、京都の勝率20%、連対率26.7%が、阪神だと勝率0%、連対率9.1%と苦手な条件に変わってしまう。 ハービンジャー産駒はノームコア、オルフェーヴル産駒はラッキーライラックと有力馬がスタンバイ。ラッキーライラックは阪神で阪神JF、大阪杯を勝っているが、2200mの宝塚記念は負けている。逆に京都はもうひとつだが、阪神で好走確率が上がるのはヴィクトワールピサ産駒。京都だと28走して0勝だったのが、阪神では11走して2勝。連対率も倍以上となっている。 なお、モンテロッソ、ゴールドシップ、キングズベスト産駒はサンプル数が5走以下のため参考記録とする。