乗り手の体重が前進する力を無限アシスト!この革新的な自転車ホイールさえあれば電動自転車いらず
新型コロナウイルスの感染拡大で、自転車通勤を始めた人も多いのではないだろうか。なんでも、自動車や電車、飛行機などの乗り物や、人間を含む動物と比べても、エネルギー効率に圧倒的に優れているんだとか。 最近では電動自転車がもっぱらの人気だが、その一方、自転車をさらに次のステージへと押し上げる革新的な発明品が登場した。
文字通りの”車輪の再発明”となるか
その発明品とは、アイルランドに住むサイモン・チャンさんらが生み出した自転車ホール。その名も「SuperWheel(スーパーホイール)」だ。なんとこのホイール、自転車に乗る人の体重を自転車が前に進む力に変えてしまうという優れものなのだ。 推進力を生み出す秘密は、組み込まれた8つのバネだ。ホイールの下半分の位置で体重によって圧縮されたバネが、上半分の位置に移動する際に伸びる。その力が内部に備えられた「ドライブシステム」と呼ばれる機構に伝わることで、通常のホイールと比べ30%以上多くの推進力を生み出すという。 使い方は自転車の後輪に、通常のホイールの代わりに装着するだけ。まるで電動自転車かのようなアシスト機能を発揮してくれるという。
着想は父親のトラック
サイモンさんがSuperWheelの開発の着想を得たのは14歳の時のこと。父親のトラックのパワーステアリング(ハンドルを回す際、その力を増幅しタイヤに伝えるための機構)に触発され、人間の力をフルに活用できる自転車を開発したい、と考えたという。 開発を始めたサイモンさんは、アイルランド政府商務庁から5000ユーロの支援を受け、さらに2010年にはアルスター大学との共同研究を開始し、開発を本格化させていったと。そして2013年に原理実証テストをもってSuperWheelの開発を完了させたとのこと。 SuperWheelは現在公式サイトから購入可能。自身の体重、ホイールに装着するタイヤの幅、アシスト強度をそれぞれ選ぶことができる。価格は425ユーロ(約5万4000円)と少々高めだが、電動自転車に比べたら割安ではないだろうか。
山田山太