将来の誤嚥性肺炎を予防する「のどトレ」! 飲み込む力を高めるためにのどまわりを鍛えよう!
飲み込む動作のときには、のど仏周辺の筋肉が働く。ここの筋肉を鍛えておくと、嚥下がスムーズに。そこで、のどまわりの筋力アップに効果的な3種のエクササイズを呼吸器内科医 大谷義夫さんに教えてもらった。
「舌出し」体操
舌を動かすと、舌の奥にある筋肉も一緒に動く。この筋肉は飲み込む力に直結するので、ぜひ実践したい「のどトレ」。舌を動かすだけだから簡単! 唾液量のアップにも効果的だ。 ◆舌を出したり引っ込めたりする 口を横に大きく開けて、舌をできるだけ出し、次に引っ込める。これを2~3回繰り返す。
◆大きく左右に動かして! そのまま、舌先を右に、左にと、大きく動かす。これを2~3回繰り返す。いずれも舌をできるだけ大きく動かすのがポイントだ。
「いー」体操
あごと親指を押し合いながら、「いー」と声を出すエクササイズ。のど仏のまわりに力が入ることで、その周辺の筋肉が鍛えられる。ポイントは口を大きく横に広げて発声すること。 ◆あごの下に両手の親指をあてる そろえた親指をあご下にあて、指は上に持ち上げ、あごは下げて、押し合うようにする。のど仏の周辺に力が入ることを確認する。
◆口を横に大きく開き「いー」と発声 あごと親指を押し合ったまま口を横に思いきり開け、奥歯を噛み締め、首の筋肉を緊張させながら「いー」と10秒間、声を出す。首に縦の筋が出るように!
「ゴックン」体操
ものを飲み込むとき、筋肉が動いてのど仏を上下させる。ゴックン、としたらのど仏が上がるはず。この位置が下がってきたら、飲み込む力が落ちてきている証拠! 嚥下の力を高めるエクササイズだ。 ◆のど仏の位置を確認する 人差し指と中指をそろえて軽くのどにあて、のど仏の位置を確かめる。 ◆唾液を飲み込んだのど仏の位置を維持 唾液を飲み込んで、のど仏が上がったことを確認し、その位置を10秒キープする。唾液が出にくい場合は、最初に少量の水を飲んでから行おう。 のど機能を改善し将来の誤嚥性肺炎を予防する「のどトレ」は、「肺年齢」も意識し、呼吸器系の機能を総合的に高めていくと効果的だ。次回は、肺を取り囲む筋肉の動きを高める呼吸筋ストレッチをご紹介しよう。 教えてくれたのは 大谷義夫さん 呼吸器内科医。池袋大谷クリニック院長。東京医科歯科大学呼吸器内科医局長などを経て、2009年より現職。呼吸器内科のスペシャリストとしてメディアでも活躍 撮影/フルフォード海 ヘア&メイク/木下庸子(プラントオパール) スタイリスト/程野祐子 取材・原文/山村浩子