レッドブルと激似”Bスペック”マシン導入のアストンマーチン、FIAの合法性調査をクリア
アストンマーチンは、F1第6戦スペインGPで今季マシン『AMR22』に数々のアップデートを導入。サイドポッドやフロア、リヤウイングなどを変更した。 【写真で見る】F1メカ解説|アップデート多数。アストンマーチンはコンセプト変更か?:スペインGPピットレーン直送便 しかし、それらが搭載されたAMR22は多くの点でレッドブルの『RB18』に類似していると話題になり、”グリーン・レッドブル”と呼ばれるに至った。 アストンマーチンは、前身であるレーシングポイント時代の2020年にも、前年のチャンピオンマシンであるメルセデスW10に酷似した『RP20』を走らせ、物議を醸した。 当時、”ピンク・メルセデス”と呼ばれたこのマシンを巡って、正式に抗議が行なわれた結果、レーシングポイントにはコンストラクターズポイント15点減点のペナルティが科され、リバースエンジニアリングを禁じるレギュレーションが追加されたのだった。 そうした背景もあってか、FIAはスペインGP前にアストンマーチンの開発プロセスに不正がなかったか、調査を実施したようだ。 FIAは、アストンマーチンのアップデートに対して「イベント前の定期的な合法性チェック」をしている際、「多くの特徴が他の競技者のものと似ていることが明らかになった」と述べている。 そのため、FIAはリバースエンジニアリングや不正な知的財産(IP)の移転について取り締まっている技術規則17.3条をアストンマーチンが遵守しているかどうか、調査を実施したのだ。 「CADデータのチェックとアストンマーチンが採用した開発プロセスの詳細な分析を含む調査により、不正行為が行なわれていないことが確認されたため、FIAはアストンマーチンの空力アップグレードが適合していると考えている」 そうFIAは発表した。 「技術規則の17.3条は、写真(または他のデータ)をCADモデルに変換するデジタルプロセスである”リバースエンジニアリング”を明確に定義して禁止しており、チーム間でのIP移転を禁止している。だが同条文は、F1で常に行なわれてきたように、ライバルのマシンに影響を受けてデザインすることを認めている」 「我々が行なった分析の結果、アストンマーチンのプロセスはこの条の要件に合致していることを確認した」 アストンマーチンの広報担当は、次のように語った。 「我々は、FIAの技術担当者と我々のアップデートの詳細を共有した。データとアップデートを作成するために使用されたプロセスを分析した結果、FIAは、我々のアップデートが技術規則に従った合法で独自の開発作業の結果として生まれたことを文書で確認した」
Luke Smith