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フォトニック結晶レーザー搭載のLiDARを開発

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EE Times Japan

発振面積の拡大で、100m超級の光測距も可能に  京都大学工学研究科の野田進教授や吉田昌宏助教らによる研究グループは2020年6月、北陽電機と共同で、フォトニック結晶レーザーを搭載した光測距システム(LiDAR)の開発に成功したと発表した。自動運転を目指す自動車や建設機械などの用途に提案していく。  LiDARの光源には半導体レーザーが用いられている。しかし、ブロードエリアタイプと呼ばれる従来の半導体レーザーでは、高出力時にビーム品質が著しく劣化したり、ビーム整形のために複雑なレンズ系が必要であったり、太陽光などの影響を受けたりするなど、課題もあった。  研究グループはこれまで、フォトニック結晶レーザーの開発を行ってきた。既に発表している2重格子フォトニック結晶は、発振面積を拡大して光出力を高めてもビーム品質が劣化せず、極めて狭い広がり角のビーム出射が可能で、動作波長の温度依存性が少ない、などの特長を持つ。  今回は、この技術をブラッシュアップし、新たな2重格子フォトニック結晶構造を考案した。下方向に出てきた光を上方向に反射させるための下部反射構造を導入するなどして、さらなる効率の向上と安定した動作を可能とし、作製プロセスも簡略化したという。  試作したフォトニック結晶レーザーは、LiDARへの搭載を考慮し、発振面積を直径500μmとした。このデバイスで、ビーム広がり角は0.1°以下と、従来に比べ約半分の狭さを実現。スロープ効率は0.8W/以下とこれまでの2倍で、ピーク光出力は10W以上(パルス動作)を達成したという。  研究グループは、開発したフォトニック結晶レーザーと一般的なブロードエリア半導体レーザーの出射光が、レンズなしで遠方まで伝わった時のビームスポットを測定し、ビーム品質などを比較した。  この結果、フォトニック結晶レーザーでは、30m先でも円形で5cm以下という狭いビームスポットが得られた。一方、ブロードエリア半導体レーザーは、ビーム品質が悪く、数m先ではビームが広がり過ぎて確認できなかった。このため、ブロードエリア半導体レーザーを用いる場合、ビーム補整用のレンズ系が不可欠だという。

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