地道に炊き出し能登被災地支援 長野県松本市の「みらい」計13回実施
全国各地の被災地でボランティア活動をしている長野県松本市の市民団体「松本市炊き出し隊みらい」は、1月1日に発生した能登半島地震で被災した石川県内各地で、11月までに計13回の炊き出しを行った。被災地は9月下旬にも豪雨災害に襲われ、浅田修吉代表(66)は「震災から1年近くたっても状況はあまり変わっていない」と語り、今後も地道に支援を続けていく予定だ。今月も21日に穴水町で活動する。 みらいは1月10日に七尾市で活動したのを皮切りに、輪島市や穴水町で炊き出しを行ってきた。毎回昼食と夕食の2回、計200~300食を調理してきたが、被災者の9割が高齢者で、浅田代表は「現地から健康のために薄味を求められ、味付けが大変」と語る。道路の大渋滞で炊き出し時間に会場までたどり着けない被災者も多く、多めに作って公民館などに預け、遅れて来た人が食べられるようにもした。 寒い中での活動は大変で、浅田さん自身も2月には重い鍋を運んでいる際に鼠径(そけい)ヘルニアになり、3月には右手親指の神経が切れて、2度の手術を受けた。それでも体が治れば活動を続け、9月21~23日に能登半島で発生した豪雨災害では「地震の片付けがある程度進んで『さあここから』というところに追い打ちを受け、住民の落ち込みようは見るに堪えなかった」と語る。 来年1月1日には被災地の有志が企画する追悼イベントにも参加する。会場を飾るアイスキャンドルを長野氷彫倶楽部(クラブ)のメンバーが9日、安曇野市内の製氷工場で約100個作った。同倶楽部は8月30日にみらいと共に穴水町の住吉公民館の夏祭りに参加し、園児らに氷彫体験を提供して喜ばれた。野田真一代表(62)は「自分たちには応援することしかできない。被災者に少しでも元気になってもらえれば」と願っていた。
市民タイムス