【整体プロが指南】一回の整体や鍼灸で「良くなる人」と、「痛みをぶりかえす人」の違いとは?
「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から痛みをしっかりとる自力整体をお届けします。 監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家 (写真/榊智朗 構成/依田則子) 【この記事の画像を見る】 ● 「内臓の疲れ」は関節や筋肉に痛みやコリが出やすい せっかく整体院や鍼灸院の施術で体を整えてもらったのに、数日後に痛みやコリをぶりかえす方がいます。一方、たった一度の施術で、すっかり痛みやコリがおさまった方もいます。 その違いはどこにあるのでしょうか? 自力整体の考案者であり、整体治療家・鍼灸師でもある私の父・矢上裕は、痛みがなかなか良くならない生徒さんには、自力整体とセットで「断食」をすすめています。 内臓の弱りは、腰痛・坐骨神経痛・股関節痛・ひざの痛みなど、足腰の不調が現れやすくなるからです。 東洋医学では、経絡(「気」が流れる川のようなもの)が滞ると、経絡上へ痛みが出るとされています。父をはじめ鍼灸師の方々は、患者さんの痛みが出ている部位を診ると、どの経絡の気が詰まっているかがわかります。その経絡の流れが良くなるように、ツボを針やお灸で刺激して、関節や筋肉をほぐしていきます。そのやり方を応用したのが自力整体です。 しかし、鍼灸でツボを刺激したり、自力整体で関節や筋肉をほぐしても、痛みが良くならない方もいます。日ごろの食生活をうかがうと、食べすぎ、飲みすぎ、間食グセ、夜食グセのある方がほとんど。要するに内臓がはたらきすぎて、疲弊している状態です。 経絡は、全身の筋肉や関節をめぐるだけではなく、内臓(五臓六腑)にもつながっているため、食べすぎ、飲みすぎによる内臓疲労は経絡上の関節や筋肉に痛みが生じやすいというわけです。 たとえば、私の父はどちらかといえば粗食ですが、たまに会食して食べすぎると、翌日、ひざが重たくなると言います。それは胃を酷使することでおこる、胃の経絡「胃経」の緊張が原因です。 胃経は、鼻の横からはじまり、体の前側、胃やひざを通って、足まで降りる経絡。父のひざの違和感の原因は、胃経のライン(※図は後半)を見れば一目瞭然です。 ● 痛みやコリがとれないときは「18時間断食」がおすすめ 胃経に限らず、体になんらかの痛みや不調のある方は、自力整体で筋肉や関節をほぐすとともに、「18時間断食」で内臓の休息時間を増やしてみてください。 夕食は18時までに終わらせて、翌日の正午まで18時間、固形物は控えて内臓を休ませます。断食が難しい方は、食事をお粥に替えるだけでもOK。 18時間とはいかないまでも、自力整体では、なかなか痛みがとれない方にはなるべく寝る3時間前に夕食は終わらせ、朝は固形物を控えスープやお粥の食生活「整食法」をすすめています。 これをおこなうと痛みの軽減とともに便秘も解消。とくに大腸の左側にたまりやすい便が出やすくなりすっきりします。左側の腸が緊張から解放されると、骨格の左右差のゆがみも緩和。全身のだるさもラクになります。 では次ページで、内臓の疲労から生じる痛みの中でも、胃経の詰まりで出やすいひざの痛みを解消する自力整体「ひざのお皿の位置、ズレ直し」のワークを紹介しましょう。